II-Q10 |
Q10 電子帳簿 |
電子帳簿保存法により、書類および帳簿の電子データによる保存が可能となりました。対象は、帳簿としては仕訳帳、総勘定元帳、固定資産台帳、貸借対照表、損益計算書などがあり、書類としては、領収書、請求書、注文書や契約書などがあります。
電子帳簿による保存を行うためには、帳簿、書類ともにその3か月前の日までに申請書を提出しなければなりません。気をつけなければいけないのは、帳簿の備付けの開始は、会計期間の開始から順次データが積み上げられていきますので、原則的には会計期間中途からの申請は認められません。しかし、書類の方は、帳簿のように積み上げられていくものではないので、会計期間の中途からの申請も認められます。 申請の単位は、すべての帳簿ではなく、一部の帳簿でも認められます。また、全社ではなく、本店、支店の単位ごとの申請も認めれられます。
電子取引では、いままでのように紙による証憑書類を作成することをしません。見積りや注文、納品書までの情報は、ネットワークを利用したコンピュータ通信で行います。これまでは、このような電子情報は、「取引記録は紙で保存すること」と定めていた税法の範囲からはずれ、取引記録が残されていなかったケースもあったようです。 電子帳簿保存法では、このような電子データはその事業者が保存しなければならないと義務付けました。これにより、電子帳簿保存の適用の有無にかかわりなく、すべての事業者がその電子データを保存することが義務付けられました。
保存を電子帳簿で行っても、税務調査の際には、紙への印刷が求められることが考えられます。会社側としては、せっかく電子帳簿保存を申請しているのですから、できればコンピュータのみで対処したいとも思うでしょう。しかし、電子帳簿保存法では、「整然とした形式で速やかに出力できる」ことが適用の要件となっていますので、紙への出力が求めれらた場合は、拒否することはできないと考えられます。 |