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Q6 月次決算 |
迅速かつ正確に月次ベースでの損益状況や財務状況を把握することは経営管理上不可欠です。 年次決算が締まってみないと損益状況が判明せず、翌期にならないと有効な経営対策が打てないのでは、適確な経営管理を行っているとはいえません。経営状況を常に把握し、予算との差異の分析を行い、有効な手段を的確に実施することのできる経営体質を確立することが重要です。 予算統制(予算と実績との差異分析)のために、原則的には、月次ベースで管理資料を作成することが必要となりますが、手書きの伝票や元帳による人海戦術では、時間・人員・コストなどの負担から合理的とはいえません。通常、コンピューターシステムによる会計システム(EDPシステム)を利用するケースがほとんどです。
コンピュータ投資は初期投資およびメンテナンスに費用を要するため、専門家と相談して周到な計画を立てて導入を図るべきです。 全社的に利用することが重要ですが、誰でもがのぞけるようなシステムでは、インサイダー情報が外部に流出する可能性があり、問題があります。情報管理の観点から、責任レベルに見合った会計情報を、特定の人だけが取り出せるようなセキュリティシステムが必要です。
製造業を営む会社の場合は、まず、適正な製造原価を把握し、損益状況・財務状況を確定するための原価計算制度が確立されている必要があります。原価計算制度のレベルには、単にトータルの製造原価を集計する簡便なものから、原価管理や予算統制などの経営管理のために、費目別・製造部門別・製品別に原価を把握するものまでありますが、会社の規模・製造形態などにあわせて選択すべきです。この場合でも、専門家に相談して、会社の業種や規模に見合った最適な原価計算制度を採用すべきです。
月次決算は本決算に準じて行われるべきですが、月次決算の迅速化・ローコスト化のため、あるいは、経営管理に有効な情報を提供するためには、本決算ほどの正確性は要求されない場合もあると思われます。しかし、月次決算の精度が悪ければ、適正な損益状況・財務状況が反映されず、適切な判断ができなくなります。 月次決算においても会計処理すべき重要な項目を挙げると次のようになります。
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