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ストック・オプションの2つの方式

 ストック・オプションは会社が自社株を与えなければなりませんので、会社自身が自社株を調達しなければなりません。その方法としては、自己株式方式と新株引受権方式(ワラント方式)という2つの方式があります。ただし、この2つの方式は、株式会社にしか認められません。

2つの方式とは…

(1)自己株式方式と(2)新株引受権方式(ワラント方式)の流れをフローチャートで示すと、次のようになります。


(注)  改正商法では、両方式((1)自己株式方式、(2)新株引受権方式)を採用し、新規事業法によるものは、新株引受権方式(2)のみです。


自己株式方式

 会社が市場から自社株を購入する方法です。したがって、会社は市場から自社株を取得して、取締役や使用人に与える準備をします。もっとも、中堅・中小企業の場合には、自社株が売買されている市場がありませんから、自社株を所有する株主から自社株を購入することになります。
 商法では、原則として、自己株式の取得は禁止されているのですが、ストック・オプションのためであれば、一定の条件付でこれが認められています。

新株引受権方式(ワラント方式)とは…

 会社が、市場から自社株を取得するのではなく、増資のために新株を発行することによって、取締役や使用人に自社株を与える方法です。

注意点
 商法が改正されるまでは、この制度がなかったので、将来株式公開を目指す会社は創業者利益や後継者の持株割合を高めるため、社債部分とワラント部分に分離できる分離型のワラント債を発行していました。そこで、これを疑似ストック・オプションと呼んでいました。
 しかし、今後は商法に基づいて新株引受権方式のストック・オプションが発行されることになるでしょう。
 上記自己株式方式と新株引受権方式を併用することはできません。

 

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