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新株引受権方式とは?

 新株引受権方式(ワラント方式)によるストック・オプションとは、取締役や使用人に新株引受権を与え、取締役や使用人がその権利を行使して増資の払込みをすることによって株式を取得する方法をいいます。
 この方式は、平成9年10月1日から施行とされています。

商法改正で、どこが変わったか・・ワラント方式を創設!・・

 これまでの商法には、このような制度はありませんでした。したがって、これまでは、社債部分とワラント部分に分離できる分離型のワラント債を発行する“疑似ストック・オプション”によっていました。
 ところが、今回の商法の改正によって、新たに新株引受権方式(ワラント方式)による株式の取得が認められることになりました。

新株引受権方式(ワラント方式)を採用する場合の要件

 新株引受権方式(ワラント方式)を採用する場合には、次に掲げる6つの要件をクリアーしなければなりません。

(1)  会社は、定款に定めがある場合に限り、正当の理由があるときは、取締役又は使用人に新株引受権を与えることができる。
(2)  取締役又は使用人に新株引受権を与えるためには、その取締役又は使用人の氏名、新株引受権の目的である株式の額面無額面の別、種類、数及び発行価額並びに新株引受権を行使することができる期間等につき、株主総会の特別決議がなければならない。
(3)  新株引受権の目的である株式の総数は、発行済株式総数の10%以内とする。
(4)  新株引受権の行使期間は、10年以内とする。
(5)  新株引受権は、譲渡することができない。
(6)  新株引受権は、登記しなければならない。


 <フローチャートで見る/新株引受権(ワラント)方式採用のポイント>


こんなことにも、気をつけよう
両方式の併用禁止→自己株式方式によるストック・オプションを決議し、まだ取締役又は使用人に譲渡されていない株式がある間は、この新株引受権方式は採用できない。(同時に併用はできないということ)
有限会社等→合名・合資・有限会社は、この方式も認められない。
財源規制→この方式には、自己株式方式のような財源規制はないので、剰余金がない会社でも可能。
新株引受権の登記又は変更登記→申請件数1件につき9万円の登録免許税がかかる。

 

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