Question 16 |
株式を原則的評価方式で評価すると非常に高いと聞きます。株価を高くする要因は何ですか。また、これを引き下げるポイントを教えてください。
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ポイント |
株価を高める要因は、評価方法により異なりますが、配当、利益、純資産、会社の含み益です。これらを下げれば株価は下がります。 |
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オーナーは、通常同族株主に該当しますから株式の評価方法は、原則的評価方法になります。
原則的評価方法には、(1)類似業種比準方式、(2)純資産価額方式、(3)(1)と(2)の併用方式があります。
これらの評価方法で株価を計算しますと、ビックリするほど高い場合がありますが、それは、次のようなことが要因になっています。
(1) |
類似業種比準方式
類似業種比準方式は、事業内容が類似する上場会社の平均株価に比準して計算する方法で、比準する要素は次の3つからなります。
イ.1株当たりの配当金額
ロ.1株当たりの年利益金額
ハ.1株当たりの純資産価額(帳簿価額による)
つまり、この比準要素が、類似する上場会社の要素と比べて高ければ高いほど株価は高くなるというわけです。
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(2) |
純資産価額方式
純資産価額方式は、評価会社の課税時期における資産、負債を相続税評価額により評価替えする方法で、次のように計算します。
純資産価額=帳簿価額による純資産(自己資本の部)+含み益×42%
つまり、この算式からわかるように、自己資本の部が高く、そして含み益が大きいと株価が高くなるようになっています。 |
この株価を引き下げるためのポイントは、次のようなところにあります。
(1) |
類似業種比準方式
株価を高くしている比準要素により異なりますが、一般的には、
イ. 配当を減らす
ロ. 会社の節税をして利益を圧縮する
ことが株価引下げにつながります。
ただし、比準要素が2以上ゼロになってしまうと逆に株価が高くなる場合がありますので注意してください。(Q11、Q12
参照)
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(2) |
純資産価額方式
純資産価額による株価を引き下げる方法は、自己資本の部を減らす、又は含み益を減らすことです。
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(3) |
併用方式
一般的に純資産価額より類似業種比準価額のほうが低く評価される場合が多いのですが、会社規模を大きくして類似業種比準価額が適用される割合を大きくすれば株価は低くなります。 |
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