目次 II-Q14


II 上手な事業承継のポイントは?


Q14 かしこい事業承継の方法


 Question 14

私は、同族の非上場会社のオーナーです。高齢になってきたのでそろそろ事業承継が気になります。上手に承継するポイントを教えてください。

ポイント 事業承継を上手に行うには、経営面はいうに及ばず、税金面、財産の分割、納税面など総合的に考慮して進めなければなりません。


 Answer

■事業承継対策の考え方

 非上場会社の株式の時価は、上場会社のように取引時価というものがありませんので、一般的には、財産評価基本通達の定めるところにより評価することとなるのですが、土地などの資産の含み益や内部留保が多い会社ですと、株価は額面の数十倍になることもめずらしくありません。

 しかしながら、非上場会社の株式は、換金性が低いため、ひとたびオーナー社長に相続が起こるとたちまち納税資金に困り、場合によっては株式を手放さなければならない事態にも陥ります。

 とはいうものの、非上場会社の株式は一般的には同族会社である場合が多く、株式の買い手を見つけるのは非常に困難を伴いますし、このような会社は、オーナー社長1人の信用力で成り立っている場合が多いですから、よほど後継者教育がきちんとできていないと対外的な信用不安を招き、また、社内的な求心力も落ち、会社がうまく立ち行かなくなる場合もでてきます。

 ですから、事業承継を上手に行うには、経営面はいうに及ばず、税金面、財産の分割、納税面など総合的に考慮して進めなければなりません。

 これらのポイントをまとめますと、次のようになります。

対   策 内 容 及 び ポ イ ン ト
後継者対策 後継者の選定及び後継者教育、社内体制の整備
株価対策 株価の引下げ
株数対策 株数減らし及び会社支配権
納税資金対策 各相続人の納税資金の捻出
遺産分割対策 後継者と後継者以外の相続人とのバランスの調整

 

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