目次 I-Q13


Q13 配当還元方式による評価方法


 Question 13

同族株主以外の株主が取得する株式は、特例的な配当還元方式で評価されるそうですが、この配当還元方式とはどのような方式ですか。

ポイント 配当還元方式とは、過去2年間の配当金額を10%の利率で還元して、元本である株式の価額を求めようとする方式です。


 Answer

■配当還元方式とは

 配当還元方式とは、過去2年間の配当金額を10%の利率で還元して、元本である株式の価額を求めようとする方式で、一種の収益還元方式といえます。

 同族株主以外の株主及び同族株主のうち少数株式所有者が取得した株式については、会社規模にかかわらず、配当還元価額という特例的評価方法によって評価をします。

 その計算方法は、次のとおりです。

  配当還元価額= その株式に係る
年配当金額(注)

10%
× その株式の1株当
たりの資本金の額

50円

  (注)年配当金額= 直前期末以前2
年間の配当金額

÷ 1株当たりの資本金の額を50
円とした場合の発行済株式数

  ※ 年配当金額が2円50銭未満となる場合、又は無配の場合は2円50銭とします。


■算式の注意点

 上の算式中、直前期末以前2年間の配当金額を求める場合の注意点は、次のとおりです。

 (1)  配当金額のうち、特別配当、記念配当など非経常的なものは除きます。

 (2)  評価会社が、中間配当を行っている場合には、中間配当額と期末配当額との合計額が1年間の配当金額になります。

 (3)  評価会社の事業年度が6か月の場合は、直前期末以前4事業年度の配当金額の合計額が、直前期末以前2年間の配当金額になります。


■配当還元価額が原則的評価額より高い場合

 なお、配当還元方式という特例的評価方法が適用される株主であっても、上の算式で計算した配当還元価額が、原則的評価方法で計算した価額より高い場合には、配当還元価額ではなく原則的評価方法によって計算した価額で評価をします。

 

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