目次 I-Q12


Q12 開業後3年未満の会社等の評価方法


 Question 12

当社は設立したばかりで、まだ決算も済んでいない会社ですが、こんな会社の株式も評価方法は同じですか。

ポイント 開業後3年未満である会社及び類似業種比準方式の計算の基となる配当、利益、純資産の3要素すべてがゼロの会社は純資産価額方式のみの評価となります。


 Answer

■開業後3年未満の会社等

 開業後3年未満の会社等とは、(1)開業後3年未満である会社及び、(2)配当、利益、純資産の3要素すべてがゼロの会社をいいます。

 (1)  開業後3年未満である会社
 開業後3年未満である会社とは、課税時期において、開業後の経過年数が3年未満である会社に該当する評価会社をいいます。
 ただし、開業前又は休業中の会社、及び清算中の会社に該当する場合は除かれます。

 (2)  配当、利益、純資産の3要素すべてがゼロの会社
 配当、利益、純資産の3要素すべてがゼロの会社とは、類似業種比準方式を計算する場合の「1株当たりの配当金額」、「1株当たりの利益金額」、「1株当たりの純資産価額」のそれぞれの金額がいずれもゼロである会社をいいます。この場合、配当金額及び利益金額については、直前期末以前2年間の実績を反映して判定をします。


■判定上の注意点

 開業後3年未満の会社に該当するかどうかを判定する場合には、次のような点に注意してください。

 (1)  開業後3年未満の会社とは、評価会社の開業から課税時期までの期間が3年に満たない会社をいいますから、事業年度が3事業年度を経過していても、3年を経過していない場合は、開業後3年未満の会社に該当することとなります。

 (2)  設立後ではなく開業後と規定されていますので、設立していても事業を開始していないような場合は、開業とは認められない場合があります。


■開業後3年未満の会社等の評価方法

 開業後間もない会社の評価に上場株式に比準して評価する類似業種比準方式を適用しては、適正な株価が算定できないことから、課税時期において、開業後3年未満の会社の株式については、会社規模にかかわらず、純資産価額方式しか使えないこととされています。

 この場合、その株式の取得者とその同族関係者の持株割合の合計がその開業後3年未満の会社の発行済株式数の50%未満であるときは、純資産価額方式で求めた価額の80%相当額が評価額となります。

 なお、特例的評価方法が適用される同族株主以外の株主等については、この特例は適用されず、一般の評価会社の株式と同様に、配当還元方式により評価した価額が評価額になります。

 

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