目次 I-Q8


Q8 類似業種比準方式による評価と注意点


 Question 8

私の所有する株式は、類似業種比準方式で評価するようです。評価方法を教えてください。

ポイント 類似業種比準方式の計算式は、このたび改正されていますのでご注意ください。


 Answer

■類似業種比準方式とは

 類似業種比準方式とは、類似業種の平均株価並びに1株当たりの配当金額、年利益金額及び純資産価額の3つの要素を類似業種と比準して計算する方法です。具体的な計算式は、次のとおりになります。



  A: 類似業種の株価
  B: 類似業種の1株当たりの配当金額
  C: 類似業種の1株当たりの年利益金額
  D: 類似業種の1株当たりの純資産価額
  b: 評価会社の直前期末以前2年間における1株当たりの年配当金額
  c: 評価会社の直前期末以前1年(又は2年)間における1株当たりの年利益金額
  d: 評価会社の直前期末における1株当たりの純資産価額


■計算上の注意点

 類似業種比準方式による場合には、次に点に注意しなければなりません。

 (1)  1株当たりの配当金額
 評価会社の1株当たりの配当金額は、その会社の直前期末以前2年間の平均配当(1株当たりの資本金の額を50円とみなして計算します)とし、特別配当や記念配当等の名称による配当のうち、将来毎期継続することが予想できない金額は除きます。

 (2)  1株当たりの年利益金額
 評価会社の1株当たりの年利益金額は、法人税の課税所得金額に益金に算入されなかった受取配当等の額及び損金に算入された繰越欠損金額を加えて求めます。(1株当たりの資本金の額を50円とみなして計算します)この場合、固定資産売却益や保険差益等の非経常的な利益金額は除きます。
 また、1株当たりの利益金額がマイナスになるときは、ゼロとします。

 (3)  1株当たりの純資産価額
 1株当たりの純資産価額は、評価会社の資本金額に法人税法に規定する資本積立金額及び利益積立金額を加えて求めます。(1株当たりの資本金の額を50円とみなして計算します)この場合、1株当たりの純資産価額がマイナスになるときは、ゼロとします。

 (4)  上の算式中cの金額がゼロの場合は、分母の5を3として計算をします。

 なお、類似業種の株価、及び比準要素は、国税庁から2か月ごとに発表されています。


■中会社、小会社の類似業種比準価額

 上の算式は、評価会社が大会社に該当する場合のものです。
 評価会社が、中会社の場合は、算式中0.7 とあるのを0.6 とし、小会社の場合は、同じく0.5 として計算した金額が評価額となります。

 

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