目次 III−1


III.米国非居住者の申告


1 米国所得税の概要(米国非居住者)

 ここでは、米国非居住者の課税の対象となる国内(米国)源泉所得とその課税方法について説明します。


1.国内(米国)源泉所得

 米国非居住者は、国内(米国)源泉所得に対して課税されます。

 国内(米国)源泉所得とは、国内での役務提供から生じる所得、国内での事業から生じる所得、国内にある資産の運用・保有もしくは譲渡による所得、その他その源泉が国内にある所得をいいます。そして、その所得が国内で支払われたものか、国外で支払われたものかという支払地を問わないこととされています。

 非居住者の所得が国内(米国)源泉所得に該当するかどうかの主な決定要因は、以下の通りですが、租税条約で、これと異なる範囲を定めている場合もあります。


2.課税される所得の区分

 課税される国内(米国)源泉所得は、「米国ビジネスに関連する所得」Income effectively connected with U.S. trade/business(以下、USIEC所得という)と「固定的、確定的な期間に対応する所得」Fixed or determinable annual periodical income(以下、FDAP所得という)に区分されます。

 USIEC所得は、「米国非居住者個人所得税申告書」Form1040NRにより申告し、米国居住者と同様に累進税率で課税されます。FDAP所得は、収入金額に対して30%の源泉徴収税率で課税関係が終了します。源泉徴収が適切に行われていない場合や源泉徴収の超過額がある場合は、「米国非居住者個人所得税申告書」Form1040を提出し、納税額を精算することになります。

 

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