目次 2-V-1


V.更正の請求


1.更正の請求ができる場合

 納税申告書を提出した後で、申告書に記載した所得金額や税額などの計算が法律の規定に従っていなかったこと、または計算誤りがあったことにより次のような誤りが判明したときは、申告書の提出期限から1年以内にかぎり、「更正の請求」をしてその訂正を求めることができます(通法23(1))。

 (1)  申告書の提出により納付すべき税額が過大であるとき
 (2)  申告書に記載した欠損金額が過少であるときまたは欠損金額の記載がなかったとき
 (3)  申告書に記載した還付金の額が過少であったことまたは還付金の額を記載しなかったこと

 なお、法定申告期限から1年を経過した場合であっても、判決によって所得金額や税額の計算基礎となった事実が相違するなど一定の後発的理由が生じたときは、その理由が生じた日の翌日から2か月以内にかぎり、更正の請求をすることができます(通法23(2))。また、修正申告書を提出し、あるいは更正または決定の処分を受けたことにともない、その後の事業年度で上記(1)〜(3)の事由が生じたときは、修正申告書を提出した日または更正・決定の通知を受けた日から2か月以内にかぎり、更正の請求ができます(法82)。

 たとえば、次のような事実があれば更正の請求が認められます。

 イ  売上げがなくまたは当期の売上げでないにもかかわらず当期の売上げに計上したこと
 ロ  当期の費用であるにもかかわらず損金に算入しなかったこと
 ハ  法人税の還付金など益金に算入されないものを益金に計上したこと
 ニ  欠損金の繰越し控除を行わなかったこと
 ホ  資産の評価換えにより益金に算入できない評価益を益金に計上したこと
 ヘ  税率の適用を誤ったこと
 ト  同族会社の留保金額の計算を誤り、課税対象となる留保金額を過大に計算したこと

 

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