目次 2-III-2


2.両方式の選択

 ところで、予定申告書を提出するとき、たとえば1年決算法人なら要するに前期の法人税額の半分を納めるということで、手続的に簡単です。現実には、税務署側で内容を記載した予定申告書の用紙が納税者に送付され、これに署名押印して提出するだけのことです。もし期限までに中間申告が行われなかったときは、この予定申告書が提出されたものとみなされます(法73)。つまり、期限後に仮決算による中間申告書が提出されても認められません。

 一方、仮決算による中間申告書の提出は手間暇が大変です。減価償却や引当金の設定など、本決算と同様の計算を中間時点でも行わねばなりません。そういう事情から、中小企業などでは一般に予定申告書を提出するケースが多いのですが、前期より所得の減少が見込まれるときは一考を要します。

 たとえば、当上半期の業績が赤字の場合、仮決算による中間申告をすれば納税額が0になる場合でも、予定申告書を提出するとやはり前期の1−2の税額を納めなければなりません(もちろん、通期で赤字ならこの予定納税額は確定申告により還付されます)。

 なお、源泉所得税の還付は確定申告においてのみ認められます。したがって、仮決算を行っても中間申告では還付を受けられません(法79(1))。


申告書記入例

 中間申告の「予定申告書」(別表17)の記入例を示せば次のとおりです。
 なお、通常は前期の確定申告書に基づいて税務署で記入するため、納税者がこの申告書を記入することはありません。

申告書記入例

 

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