目次 1-III-3


3.税効果会計を適用する差異項目

 収益と益金、費用と損金の食い違い項目を、税効果会計では次のように分類します。

   一時差異   将来減算一時差異
将来加算一時差異
永久差異

 これを税務用語で分類し直せば次のようになります。

   留保項目   加算項目
減算項目
社外流出項目

 食い違い項目(申告調整項目)のうち税効果会計の対象となるのは、原則として「一時差異」(留保項目)だけです。「永久差異」(社外流出項目)は対象としません。

 両者の違いは、申告調整で加算または減算したものが、翌期以降に認容(減算または加算)されるかどうかです。受取配当の益金不算入や交際費の損金不算入など社外流出項目は、その期に加減算を行うだけで将来の所得計算には影響しません。

 一方、減価償却費や各種引当金の限度超過額、貸倒損失の損金不算入などの留保項目については、条件が整えば翌期以降に加減算が生じます。この将来の加減算に備えて調整計算を行う、それが税効果会計です。

 一時差異はさらに、当期に加算し将来減算される見込みのもの(「将来減算一時差異」)と、当期に減算し将来加算されるもの(「将来加算一時差異」)に分類されます。

 

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