目次 Q5


Q5 税理士資格を有しない職員が,訴訟に関与することはできますか。

 補佐人になれるのは資格者たる税理士のみです。しかし裁判所による釈明処分がなされた場合、職員が訴訟に関与することはあり得ます。

 補佐人は税理士に限られる 税理士法第2条の2が明確に「税理士は」と規定していること、及び税理士が租税に関する専門家であることに鑑み税理士補佐人制度が創設されたこと等からすれば、補佐人になれるのは資格者たる税理士のみであって、職員は補佐人になることができないと解されます。

 釈明処分 しかし、裁判所により釈明処分がなされた場合、職員が訴訟に関与することはあり得ます。釈明処分とは、事案の解明を図るため裁判所に認められている権限です(民訴法第151条第1項)。
 税理士事務所の日常業務は、その多くが職員によってなされているのが通常です。したがって、関与先の税務問題等について最も精通しているのは、納税者たる委嘱者やその顧問税理士ではなく、税理士事務所の職員であることも多いわけです。民訴法第151条第1項第二号は、「口頭弁論の期日において、当事者のため事務を処理し、又は補助する者で裁判所が相当と認めるものに陳述をさせること。」と規定しています。
 この規定に基づき、例えば会社が当事者である訴訟において、その代表者よりも事件に精通する業務担当者がいるとき、その者の出頭を求める処分がなされるわけです。これを税務訴訟にあてはめると職員が適格であることも多いはずです。
 この場合は、職員が訴訟に関与することになります。

 証人 この他、税理士事務所の職員の証言が、争点の解明に資すると認められるときには、職員の証人尋問がなされる可能性があることは言うまでもありません。

 

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