目次 Q8


収益計上(助成金)

Q8 国等からの助成金の収益計上

 当社は消費税の増税の際の駆け込み需要が終わって受注が急減したので、一部社員を自宅待機させていましたが、社員の自宅待機中の教育のために雇用助成金を申請し、厚生労働省から助成金が受けられることになりました。

 教育期間中の賃金は支払うのですが、助成金は申請してから受給まで2月以上待たねばなりません。そのため期末2か月分の賃金に対する助成金が、たまたま結果的に今期末までに給付されませんでした。期中は助成金が振り込まれた際に雑収入で計上していましたが、今回もそのようにしたいと考えています。

 大丈夫でしょうか。


Answer 助成金の申請対象となる賃金等から助成金を見積もって、収益に計上する必要があります。



《解 説》

 法人税基本通達2―1―42において、

 「法人の支出する休業手当、賃金、職業訓練費等の経費を補填するために雇用保険法、雇用対策法、障害者の雇用の促進等に関する法律等の法令の規定等に基づき交付を受ける給付金等については、その給付の原因となった休業、就業、職業訓練等の事実があった日の属する事業年度終了の日においてその交付を受けるべき金額が具体的に確定していない場合であっても、その金額を見積もり、当該事業年度の益金の額に算入するものとする。

 (注) 法人が定年の延長、高齢者及び身体障害者の雇用等の雇用の改善を図ったこと等によりこれらの法令の規定等に基づき交付を受ける奨励金等の額については、その支給決定があった日の属する事業年度の益金の額に算入する。」

と規定されており、貴社の助成金も上記通達の本文のとおり、当期中に収益として計上することになります。

 この取扱いは、例えば雇用調整助成金の場合、助成金が手当や賃金、教育訓練の実施に対する一定率や一定額とされているため、事業主が負担する費用と対応させることが合理的であるためと考えられます。

【参考法令等】
●法基通2―1―42(法令に基づき交付を受ける給付金等の帰属の時期)
●雇用関係助成金に関する法令

 

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