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5 減価償却と損金経理

 法人税における減価償却の規定は、損金経理した償却額のうちその資産の償却限度額以内の金額に限られますから、「損金経理」することを前提としています。したがって、損金経理をしなければ、法人税では減価償却費の損金算入が認められないことになります。

 ただし、次のように損金経理をした場合には、償却費として損金経理をしたものとして取り扱われます。

(1) 取得に伴う付随費用等を取得価額に算入しなかった場合の付随費用等の額
(2) 圧縮限度額を超えて経理した場合のその限度を超えている金額
(3) 修繕費として経理した金額で損金の額に算入されなかったもの
(4) 無償又は低額で取得した資産につき取得価額として経理した金額が法令の規定による取得価額に満たない場合の満たない金額(退職給与の場合には、このようなケースでは損金算入にはなりません)
(5) 除却損又は評価損のうち損金の額に算入されなかった金額
(6) 少額な減価償却資産(おおむね60万円以下)又は耐用年数が3年以下の減価償却資産の取得価額を消耗品費等とした場合のその金額
(7) ソフトウエアの取得価額に算入すべき金額を研究開発費として損金経理した場合のその額

 取得価額の全部又は一部を資産に計上しなかった場合(上記により損金経理により償却費の計上をしたものとされる場合を除きます)又は贈与により取得した減価償却資産を資産に計上しなかった場合でも、その資産を事業の用に供した事業年度の申告書(別表十六)に記載して、それについて申告調整をしているときは、その記載した金額に限り償却費として損金経理したものとして取り扱われます。

 

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