目次 II-6


 6 借地権を譲渡する場合

 借地権者が、借地権を譲渡した場合には、土地を譲渡した場合と同じ取扱いがされます。


(1)譲渡収入金額

  個人借地人が借地権を譲渡した場合は、通常は分離課税の譲渡所得(棚卸資産の譲渡である場合は事業所得又は雑所得)となり、譲渡価額が譲渡収入金額となります。


(2)取得価額

 取得価額には、次のようなものが含まれます。

 (イ)  地主等に支払った権利金、借地権の購入代価又は立退料等の金額
 (ロ)  土地の上に存する建物等を取得した場合におけるその建物等の購入代価のうち借地権の対価と認められる部分の金額
 (ハ)  埋立て、地盛り、地ならし、切土、防壁工事等の整地又は土地の改良のために要した費用
 (ニ)  借地契約の更新又は変更に当たり支出した費用
 (ホ)  建物を増改築するに当たり、地主等に対して支出した費用
 (ヘ)  借地権を建物等とともに取得した場合において、その取得後おおむね1年以内にその建物等の取壊しに着手する等、当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的であったことが明らかなときにおける建物等の取壊し損失の額(その建物等の取壊し時の帳簿価額と取壊し費用との合計額から廃材の処分による収益の額を控除した金額)
 (ト)  借地権の取得のために支払った仲介手数料等の金額
 (チ)  借地権の無償取得又は低廉取得があった場合において、借地権の時価とその実際に支払った権利金又は購入代価の額との差額に対して受贈益として法人税や所得税を課税された場合におけるその受贈益の金額。なお、個人が個人から贈与を受けたものとして贈与税を課税された場合におけるその受贈益に相当する金額は、取得費に加算することはできません。
 (リ)  長期保有の借地権の取得費の計算については、概算取得費控除の特例が設けられており、実際の取得費がその借地権の収入金額の5%よりも少ないときは、収入金額の5%相当額とされる簡便計算法があります。

 

目次 次ページ