目次 Q9


Question
 消費税のしくみ
 消費税とはどのようなしくみになっているのですか。

Answer
 消費税が発生した場合、負担するのは原則として最終消費者となる患者です。しかし、納付するのは患者ではなく、メーカー、医薬品商社(卸)、医療機関等が行うことになります。


[1]消費税の特徴

 消費税は、このように負担する消費者と納税する事業者が違います。いわば「預り金」という扱いであり、医療機関が患者から預って国に納付する流れになっています。最終的に負担するのは患者ですが、納税するのはメーカー、医薬品商社、医療機関など何段階にも分かれています。取引の段階にわたって各々分散する形で納税されることになります。


[2]事 例

 例えば、メーカーが医薬品商社に2万1,000円(20,000円+20,000円×5%)で医療材料を販売します。税金分1,000円は医薬品商社からメーカーが預ったお金であり、売上げではありません。したがって、メーカーは預っている1,000円を国等に納付することになります。

 次に第2段階として、医薬品商社は医療機関へ3万1,500円(30,000円+30,000円×5%)で医療材料を販売します。税金分の1,500円は医薬品商社にとっては医療機関から預ったお金となり、売上げとはなりません。医薬品商社もこの預った消費税等を国等に納付することになりますが、メーカーから仕入れたときに1,000円の消費税を支払って(負担して)いますので、この負担分を預っている消費税等1,500円から差し引いて納税することになります。つまり、500円(1,500円−1,000円)を納付することになります。この医薬品商社が負担している消費税等を差し引くことを「仕入税額控除」といいます。

 第3段階として、医療機関は患者へ4万2,000円(40,000円+40,000円×5%)で医療材料を販売することとします(社会保険診療報酬等は非課税の扱いなので自由診療であると仮定する)。医療機関においても、医薬品商社と同様の計算となります。預った消費税から支払った消費税を差し引き、500円(2,000円−1,500円)を納付することになります。

 結局、メーカーが1,000円、医薬品商社が500円、医療機関が500円となり、合計2,000円が消費税等として国等に納付されることとなります。この2,000円は、最終消費者である患者が医療機関に支払った2,000円と同額となります。


【消費税納付の流れ】
【消費税納付の流れ】

 

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