回収特例の適用がない物品切手等に係る仕入税額控除
Ｑ 図書カードを割引で購入した場合や、イベントチケットを割増で購入した場合など、物品切手等の購入に係る支払額と引換給付を受けたときに受領したインボイスに記載された対価の額が違っている場合、仕入税額控除はどうなりますか。
Ａ （1）贈与した場合
商品券や図書カード等は、贈答用に利用するのが一般的です。他者に贈与する場合は、仕入税額控除は適用されません。
回収特例の適用がない物品切手等は、購入時には課税仕入れに該当せず、役務又は物品の引換給付を受けた時に、その引換給付を受けた事業者の課税仕入れとなります。
（2）自ら使用する場合
購入した物品切手等を自ら使用して役務又は物品の引換給付を受ける場合は、その引換給付を受けた時に仕入税額控除を適用します。
※ 回収特例が適用される物品切手等（自ら引換給付を受けるチケット等が簡易インボイスで回収されるもの）については、継続適用を要件として、その購入時に仕入税額控除を適用することができる特例があります。
購入した金額と引換給付を受けたときに受け取ったインボイスに記載された金額が異なる場合は、次によります。
① 割引価格にて購入したとき（購入額＜インボイス記載額）
割引価格にて購入したときは、受領したインボイスに記載された金額により仕入控除税額を算出し、実際に支払った金額との差額を雑収入等（消費税課税対象外の収入）として計上することとなります（処理例（１））。
ただし、実際に支払った金額により、仕入控除税額を算出することもできます（処理例（２））。
【購入金額4,900円、インボイスに記載された金額5,000円である場合】
処理例（1）
〇購入時
〇使用時
処理例（2）
〇購入時
〇使用時
② 割増価格にて購入した場合（購入額＞インボイス記載額）
イベントチケット等を割増価格にて購入した場合には、受領したインボイスに記載された金額を上限として仕入控除税額を算出することとなります。
【購入金額13,200円、インボイスに記載された金額11,000円である場合】
処理例
〇購入時
〇使用時
③ 贈与を受けた場合（購入額＝０円）
贈与を受けた場合、金銭の支出はありませんが、物品切手等を使用して引換給付を受けた時に、受領したインボイスに記載された金額により仕入税額控除を適用します。
【5,000円の商品券の贈与を受けた場合】
処理例
〇受贈時
〇使用時
このコンテンツの内容は、令和６年９月１日現在の法令等によっています。
