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「伝える」と「伝わる」の違い

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~ある事務所での会話から~

A部長:すみません・・・。明日から徹底させます。

毎日、職員全員が提出するはずの業務日報。

ここ数日、未提出が多いなぁと思い、税務1部門のA部長へ問いかけてみた際の返答です。

A部長:なぜ、書いてくれないんでしょうかねぇ?あれだけ毎日書くように言っているのに・・・。

愚痴めいた言葉を発するA部長へ、
所長は笑いながら答えました。

所長:伝えるだけで部下が動くなら、上司は要らないよ。


コミュニケーションの本質は“何を伝えたか?”ではなく、“何が伝わったか?”にあります。
それを踏まえると、「こんなに伝えているのに、やらない部下が悪い」というA部長の話はおかしな言い分。
まずは、“まったく伝わっていない”自分のコミュニケーション能力を恥じる必要があります。

そもそも「伝えたら人は動く」と思うこと自体が大間違いです。
規則だから、決まったことだから、と押し付けられた“べき論”で、行動が長続きすることはありません。
上司の重要な役割は、部下が自分の意思で行動を『選択する』状態をつくり出すこと。
部下が「やりたい」と決意できるように促してあげることが大切です。
そのためには、単なる伝達だけではなく、“話し合い”や“共感づくり”といった取り組みが不可欠です。

「全員が日報を書くと、どんないいことがあるのだろう?」
「誰かが書いていないと、きちんと書いている人はどう感じる?」
「そもそも、日報って誰のために、何のために書くのだと思う?」

ただ「日報を書こう」の一言で済ますのではなく、部下と真剣に話し合ってみてはいかがでしょうか。

その過程で、新鮮な発見があるかもしれません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

執筆者情報

株式会社名南経営ソリューションズ

1966年開業の佐藤澄男税理士事務所(現・税理士法人名南経営)を祖業としたコンサルティングファーム「名南コンサルティングネットワーク」の中核企業。ネットワークでは、経営に関わるあらゆる専門家を抱え、中堅・中小企業を対象に、企業経営をワンストップでサポートして信用・実績を積み重ね、多くのクライアントをもつ。総スタッフ数569名(2019年7月1日現在)。同社は生産性向上を目的に開発したクラウドシステムMyKomonを使った会計事務所支援のほか、戦略的経営計画策定支援などの経営コンサルティング、経営者・後継者・経営幹部の育成指導、人事労務コンサルティングを得意分野とする。

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~ある事務所での会話から~A部長:すみません・・・。明日から徹底させます。毎日、職員全員が提出するはずの業務日報。ここ数日、未提出が多いなぁと思い、税務1部門のA部長へ問いかけてみた際の返答です。A部長:なぜ、書いてくれないんでしょうかねぇ?あれだけ毎日書くように言っているのに・・・。愚痴めいた言葉を発するA部長へ、所長は笑いながら答えました。所長:伝えるだけで部下が動くなら、上司は要らないよ。コミュニケーションの本質は“何を伝えたか?”ではなく、“何が伝わったか?”にあります。それを踏まえると、「こんなに伝えているのに、やらない部下が悪い」というA部長の話はおかしな言い分。まずは、“まったく伝わっていない”自分のコミュニケーション能力を恥じる必要があります。そもそも「伝えたら人は動く」と思うこと自体が大間違いです。規則だから、決まったことだから、と押し付けられた“べき論”で、行動が長続きすることはありません。上司の重要な役割は、部下が自分の意思で行動を『選択する』状態をつくり出すこと。部下が「やりたい」と決意できるように促してあげることが大切です。そのためには、単なる伝達だけではなく、“話し合い”や“共感づくり”といった取り組みが不可欠です。「全員が日報を書くと、どんないいことがあるのだろう?」「誰かが書いていないと、きちんと書いている人はどう感じる?」「そもそも、日報って誰のために、何のために書くのだと思う?」ただ「日報を書こう」の一言で済ますのではなく、部下と真剣に話し合ってみてはいかがでしょうか。その過程で、新鮮な発見があるかもしれません。最後までお読みいただき、ありがとうございました!
2024.09.02 17:53:49