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税理士事務所の業務改善を進める方法とは?経理DXで業務効率アップ&コスト削減

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実績と収入の向上を図る手段として、業務改善は欠かせません。近年では様々な業界で働き方改革やDX化などが推進されており、今回紹介する税理士業界においても同様の傾向が見られます。当記事では、税理士事務所において業務改善が必要とされている理由、改善を図る際に押さえるべきポイントを紹介します。

税理士事務所における業務の改善

まずは税理士業界における業務改善の必要性、およびDX化の重要性について解説します。

業務改善の必要性を感じている税理士事務所は8割以上

Mikatus株式会社の調査によると、2021年10月時点で会計事務所における業務改善の必要性について「感じている」と回答した事務所が全体の54.5%、「やや感じている」と回答した事務所は全体の32.5%でした。つまり、8割以上の会計事務所が業務改善の必要性を痛感していることが分かります。
一方、「業務改善が進んでいる」と答えた事務所は全体の40.5%と、過半数の事務所においては業務改善が進んでいない、または取り組めていないなどの結果も明らかになりました。
なお、業務改善の効果を実感した施策として、ペーパーレス化・DX推進など、IT関連の施策を挙げている税理士事務所が多くを占めています。

DX化の波

税理士業務は税務書類の記帳や決算書類の作成など、企業の税務代行が主体です。
しかし、近年では会計システムを導入する企業が増加しており、税理士を経由せずに税務書類を作成する企業も増加しました。

こうした変化に伴い、税理士に求められる業務内容も変化しています。実際、IT先進国であるエストニアでは税理士がAIなどを使いこなすことで、より効率的な体制を構築しています。
つまり、DXによって単純作業・提携作業はAIやデジタルツールに、高付加価値の価値提供は人が担うといったように、効率的な分業体制を敷くことができるのです。税理士事務所が将来的に利益を伸ばすためには、DX化による業務品質の向上、業務効率化による人件費削減などを推進することが重要になってくるといえるでしょう。

業務の効率化と生産性の向上を実現しよう

国内企業に共通する課題として、労働生産性の向上を図ることは非常に重要です。
公益財団法人日本生産性本部が公表した統計によると、2021年の日本の時間当たり労働生産性はOECD加盟38カ国中27位とされています。労働生産性自体は前年から上昇しているものの、労働時間が増加したことで生産性の上昇に下向きの影響があったというデータも明らかになっているようです。つまり、さらなる労働生産性の向上を図るためには、DX推進による労働時間短縮が鍵になるといえるでしょう。

業務改善をするうえでの3つのポイントとは

ここからは、業務改善のポイントを3つの切り口に分けて解説します。

業務の可視化

まずは業務の全体像を明らかにし、組織全体で可視化できる環境を構築することが重要です。
仕事の進行状況や報告内容などをオンラインで可視化することで、業務品質の向上やサービス改善に役立つデータ蓄積などを効率的に行いやすくなります。また、従業員のスケジュールをオンラインで入力・確認できるようなITツールを導入した場合、稼働状況に応じた業務量の配分を行いやすくなるメリットも見込めます。

業務の標準化(属人的業務の解体)

組織単位で労働生産性の向上を図る場合、新人研修や業務マニュアルの作成などを行い、従業員のパフォーマンス底上げを図ることが重要になります。特に属人化している業務が複数ある場合はユーザーサポートが充実した会計システムを導入したり、アウトソーシングを利用したりすることも有効な施策です。会計管理のスキルを持つ他企業や事業主などに業務の一部を委託することで、業務効率を維持しながら業務の標準化を図れます。

ITの活用

データの修正や入力作業などの定型業務を効率化する方法として、クラウド型の請求管理や会計システム、業務自動化システム(AI-OCR、RPAなど)を導入することは有効な選択肢です。請求書の取り込みや入力業務などをシステム化することで業務効率の向上、コスト削減などの効果が見込めます。

業務改善をどこから進めればいいのか

ここでは、先述した業務改善の効果を実感した施策として回答が多かったペーパーレス化、DX化が行いやすい業務について紹介します。

総務・人事関連業務

書類管理や人事手続き、就業規則の作成・配布などの業務において、多くの書類を扱うため、紙の量も多くやり取りに時間が掛かります。

経理・会計関連業務

請求書や領収書、伝票などの書類を扱うため、多くの紙を使用し、請求書の作成、印刷、封入といった作業が発生し、多くの時間を要します。

この2つの業務は紙を多く使用し、ペーパーレス化を行うことで作業効率も大幅にアップします。またDX化することで管理が楽になります。

業務改善に有効な2つの方法

ここでは、税理士業務の効率化につながるクラウドサービスや業務自動化システムの概要と、そのメリットについて紹介します。

クラウドサービス

クラウド技術を活用した請求管理、経費精算や会計システムを活用することで、ペーパーレス化の推進や書類のデータ化および共有などを効率的に行えるようになります。請求書の自動発行機能や入金の自動消込機能、会計の自動仕訳機能を活用することで、属人的な作業を減らし業務効率の向上を図れることが主なメリットです。また、既に保有しているデータをクラウドサービス上に移動したり、一元化したりすることで情報の共有管理などを効率的に実施できるようになります。

業務自動化システム

RPAやAI-OCRなどの業務自動化ツールを導入することで、PC上でのデータ入力や出力、書類データ化などを自動化できます。念のためおさらいしておくと、RPAはキーボードやマウスなどの入力パターンを記録し、システム上で正確に再現できる技術のことです。内容が決まっているデータ入力やファイルの印刷などを自動化できるため、操作ミスの削減と生産性向上の両立を図れます。
対して、AI-OCRはOCR(光学文字認証)にAI技術を組み合わせたツールで、OCRと比較して文字の読み取り精度が向上していることが特徴です。近年では手書きの文字列やフリーフォーマットの種類などを高精度で読み取れるAI-OCRも市場に流通しており、書類のスキャナ保存やチェック作業などの効率化を図れます。

まとめ

業務のDX化によって、データ修正やチェックをはじめとした定型業務の高速化・コスト削減などが期待できます。当記事で紹介した業務改善のポイントやITシステムなどを参考に、税理士業務の効率化を図りましょう。

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執筆者情報

株式会社ROBOT PAYMENT

ROBOT PAYMENTでは「お金をつなぐクラウドで世の中を笑顔に」というビジョンをもと、請求管理業務を効率化・自動化するクラウドサービス「請求管理ロボ」と、サブスクリプションサービスに特化した決済代行サービスを提供しています。
2021年東証マザーズ上場。電子インボイス推進協議会(EIPA) 幹事法人。

株式会社ROBOT PAYMENT
https://www.robotpayment.co.jp/

請求管理ロボ
https://www.robotpayment.co.jp/service/mikata/

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2023.06.02 16:45:46