インボイス発行事業者になるためには?

インボイス発行事業者になるために
あゆみ:最近、インボイス、インボイスって周りが騒いでいるような感じがするの。
ケン:その通りですね。
いよいよ来年(令和5年)10月からインボイス制度がスタートします。また、来年(令和5年)3月末までが登録事業者の登録期限となっています。
あゆみ:登録って、何を登録するんだっけ?
ケン:私(の会社)はインボイスを発行する事業者です、という事を登録します。
記載要件を満たした請求書や領収書をインボイス(適格請求書)といいますが、インボイス制度では、課税事業者のみが登録できて(今まで免税事業者であっても登録すれば課税事業者となる)、インボイスには登録番号を付すこととされています。
あゆみ:そうだった。そうだった。
だから、私の会社は既に消費税を納めているから、問題なく登録申請すればよかったのよね。
ケン:おっしゃる通りです。
あゆみ:で、登録するにはとうすればいいんだっけ?
ケン:登録する方法は2つあります。
1つ目は、紙の登録申請書に必要事項を記入して、各国税局のインボイス登録センターに郵送する方法です。郵送で提出する場合には、届出書に記入するのは所轄税務署長あてですが、提出先は所轄税務署ではないというのが注意点です。
2つ目は、e-Taxを利用して提出する方法です。電子申告を利用されたことがある方で、パソコンを利用する場合には、e-Taxソフト(WEB版)と検索し、e-Taxソフト(WEB版)のホームページからログインして、「申告・申請」から「適格請求書発行事業者の登録申請」をクリックすると、質問がでてきますので、この後も質問に答える形で登録ができます。
あゆみ:登録したらどうなるの?
ケン:まず、登録番号が通知されます。
登録申請書を郵送で提出した場合には、およそ1月半後に書面で登録番号通知書が届きます。
登録申請書をe-Taxで提出した場合には、およそ3週間後にメッセージボックスに登録番号通知書が格納されます。
適格請求書発行事業者公表サイト
ケン:登録された事業者の情報は「国税庁適格請求書発行事業者公表サイト」にて公表されます。
あゆみ:公表されるって、何が公表されるの?
ケン:公表されるのは、主なものとして
① 適格請求書発行事業者の氏名または名称
② 法人の場合の本店または主たる事務所の所在地
③ 登録番号
④ 登録年月日
です。
あゆみ:個人の人の場合、氏名が公表されるのね。個人情報とか言ってられないのね。
ケン:個人事業者の方で屋号をお持ちの場合には、「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申請書」に変更事項を記載して提出することにより屋号を公表することができます。
また、旧姓を氏名として公表することも可能です。
個人の住所が公表されることはありません。
あゆみ:この公表サイトで公表された情報ってどうやって確認するの?
ケン:公表サイトのトップページは登録番号を入力する欄があります。そこに登録番号を入力して検索をします。
登録事業者が一覧で表示されたものから探すものではありません。
ですから、請求書をもらって登録番号が記載されていた場合に、その番号が正しいかどうかを確認するために利用する形ですね。
登録は任意
あゆみ:ウチはね、軽減税率8%の商品を販売してないから登録しなくてもいいのかな、なんて思っているんだけど。
ケン:登録自体は任意です。
ただし、登録をしない場合には、取引の相手先で仕入税額控除が受けられないこととなりますので、相手側に迷惑をかけないかどうか判断する必要があります。
一方で、取引先が消費者や免税事業者のみであれば、相手側に迷惑をかけることはありませんから、登録しなくても影響がないこととなります。
あゆみ:そういう話を聞くと、登録した方がよさそうね。
ケン:登録は私の方で行いますので、お任せください。
簡易課税の選択
あゆみ:そういえば、うちは簡易課税だったと思ったけど、今回のインボイス制度で何かすることある?
ケン:あゆみ社長のところは、既に簡易課税を選択されていますので、この点に関しては何もすることはありません。
因みにですが、免税事業者が登録事業者となり、簡易課税制度を選択する場合には、令和5年10月1日以降の登録日が属する課税期間中に納税地の所轄税務署長宛に「簡易課税制度選択届出書」を提出していれば、その課税期間から簡易課税制度の適用を受けることができます。
あゆみ:何か今回は免税事業者の人は大変ね。
ケン:本当にいろんな意味で大変です。