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総合経済対策が中小企業に与える影響

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11/11ズームリアル録画セミナー
円安・物価高!「総合経済対策」が中小企業に与える影響

「総合経済対策」閣議決定

2022年10月28日、政府は「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」について閣議決定しました。

物価高・円安への対応、構造的な賃上げなどを重点分野としていて、財政投融資などを含む財政支出は総額約39兆円に上り、民間が使うお金を含めると事業規模は約72兆円、今後の実質国内総生産(GDP)を4.6%押し上げる効果が期待できると試算されています。

この総合経済対策の裏付けとなる「2022年度第2次補正予算案」を、政府は11月にも国会に提出されます。

中小企業に大事な6項目のピックアップ

約50ページの総合経済対策の中でも、特に中小企業において大事な6項目について下記にピックアップします。

参考にして下さいませ。

1.賃上げの促進(中小企業向け補助金延長拡充)

物価上昇に負けない継続的な賃上げを強力に促進するため、今年度から抜本的に拡充した賃上げ促進税制の活用促進、賃上げを行った企業の優先的な政府調達等に加え、中堅・中小企業・小規模事業者における事業再構築・生産性向上等と一体的に行う賃金の引上げへの支援を大幅に拡充する。

2.中堅・中小企業が生み出す付加価値の向上(事業承継支援)

中堅・中小企業・小規模事業者の賃上げの原資となる付加価値の増大を図るため、新型コロナウイルス感染症、物価高騰に加え、デジタル、グリーン等の事業環境変化への対応を後押ししつつ、切れ目なく弾力的かつ複数年度にわたって継続的な中小企業等の事業再構築、生産性向上への挑戦、円滑な事業承継・引継ぎを強力に支援する。

また、インボイス制度の円滑な導入を見据えた中小企業・小規模事業者への支援を実施する。

新型コロナウイルス感染症や物価高騰の影響を受けて厳しい状況にある事業者への資金繰りを支援する。

あわせて、新型コロナウイルス感染症の影響の下で債務が増大した中小企業・小規模事業者の収益力改善・債務減免を含めた事業再生・再チャレンジを支援することで、過剰債務を克服し、未来につなげるべく、信用保証制度において、借換え需要に加え、新たな資金需要にも対応する制度を創設するとともに、資本性資金(劣後ローン)への転換による資金繰り円滑化等を図る。

事業再生については、知見・ノウハウの集約・展開を図るとともに、地域交通等への重点的な支援を行う。

個人保証に依存しない融資慣行の確立に向けた施策を年内に取りまとめる。

3.観光立国の復活(インバウンド)

訪日外国人旅行消費額の年間5兆円超の速やかな達成を目指し、集中的な政策パッケージを推進するとともに、世界的な旅行需要の回復が見込まれ、大阪・関西万博が開催される2025年をターゲットに、我が国の観光を持続可能な形で復活させるため、新たな「観光立国推進基本計画」を今年度末までに策定する。

観光地・観光産業の再生・高付加価値化に向けた取組を計画的・継続的に支援するとともに、長期滞在者やリピーター、高付加価値旅行者の誘客等を図り、稼げる地域・稼げる産業を目指す。

また、自然、文化の保全と観光の両立等、持続可能な観光地域づくり、地域の観光資源の磨き上げを支援するほか、日本の魅力を世界に伝えるため、各地域における特別な体験などのコンテンツ作りを支援し、全世界に発信するなど戦略的な訪日プロモーションを実施するとともに、外国人旅行者向け免税制度の利用促進を図る。

インバウンドの本格回復に備え、訪日外国人観光客の受入環境の整備を進める。

また、引き続き全国旅行支援等の国内需要喚起策の着実な実施やイベント支援などを通じて国内観光の活性化を図っていく。

4.円安を活かした経済構造の強靱化(インバウンドとアウトバウンド)

地政学的な環境の変化からサプライチェーンが不安定化する中、海外からは自国で供給体制が確保できない重要な物資について、技術的優位性を有する日本からの供給拡大への期待が高まっている。

また、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた部品等の供給途絶が、我が国のサプライチェーンの脆弱性を顕在化し、その再編が急務となっている。

円安によりコスト面で国内立地環境が大きく改善する中、海外が我が国に期待する物資等の供給力強化や企業の国内回帰など、国内での「攻めの投資」を拡大するとともに、対内直接投資拡大により、国内の供給力強化と輸出拡大を推進する。

また、デジタル技術と市場開拓ノウハウを最大限活用して中小企業等の輸出拡大を図るとともに、農林水産物・食品の輸出額を2025年に2兆円とする目標の前倒し達成に向けて、国際競争力のある農林水産物の輸出拡大等に取り組む。

これらの取組を通じて、我が国の経済構造の強靱化を進める。

5.人への投資の強化と労働移動の円滑化(リスキリング1兆円)

デジタル分野等の新たなスキルの獲得と成長分野への円滑な労働移動を同時に進める観点から、3年間に4,000億円規模で実施している「人への投資」の施策パッケージを5年間で1兆円へ拡充する。

具体的には、「企業間・産業間の労働移動の円滑化」に重点を置いて、訓練後に非正規雇用を正規雇用に転換する企業や、賃上げを伴う転職・労働移動の実現に向け、より高い賃金で新たに人を雇い入れる企業への支援の拡充を行う。

また、在職者のキャリアアップのための転職支援として、民間専門家に相談して、リスキリング・転職までを一気通貫で支援する制度を新設する。

さらに、地域金融機関等による地域企業への人材マッチング等に取り組むほか、副業を受け入れる企業への支援を新設する。

あわせて、働く人が自らの意思でリスキリングに取り組み、キャリアを形成していくことを支援する企業への助成率引上げなど、労働者のリスキリングへの支援を強化する。

また、デジタル推進人材育成については、2026年度末までに230万人育成することを目指して強化するほか、若手研究者・留学生等への支援を拡充する。

さらに、リスキリングへの支援策の整備や年功賃金から日本に合った形での職務給への移行など、企業間・産業間での労働移動円滑化に向けた指針を来年6月までに取りまとめ、その実行のために必要な政策を具体化するとともに、継続的な賃上げの促進に加え、人材の育成・活性化を通じた賃上げの促進、賃金上昇を伴う円滑な労働移動の支援及び雇用のセーフティネットの再整備にも一体的、継続的に取り組むことで、変化に柔軟な対応力を持ち、個人の多様な選択を支える労働市場を整備する。

これらの取組に併せて、雇用調整助成金については、「構造的な賃上げ」につながるリスキリングと労働移動の円滑化を実現するため、引き続き、令和4年12月以降、特例措置の段階的な縮減を図ることとし、業況の厳しい企業に配慮しつつ、通常制度へ移行する。

6.少子化対策、こども・子育て世代への支援

少子化については、コロナ禍の中で、婚姻件数が2年間で約10万組減少し、出生数が将来人口推計よりも7年程度早く減少するなど、危機的な状況にある。

このため、結婚支援や、全ての妊婦・こども・子育て世帯に対する支援を充実させる。

支援が手薄な0歳から2歳の低年齢期に焦点を当てて、妊娠時から出産・子育てまで一貫した伴走型相談支援の充実を図るとともに、地方自治体の創意工夫により、妊娠・出産時の関連用品の購入費助成や産前・産後ケア・一時預かり・家事支援サービス等の利用負担軽減を図る経済的支援を一体として実施する事業を創設し、継続的に実施する。

また、令和5年度当初予算において出産育児一時金の大幅な増額を図る。

「新子育て安心プラン」の実現に向けて、保育所や幼稚園等の整備を図るほか、困窮するひとり親家庭等や要支援世帯のこども等を対象としたこども食堂など、こどもの居場所や食への支援を行う。

放課後児童クラブと放課後子供教室の連携促進について効果検証を行い、学校施設の利用促進の観点も含め首長部局・教育委員会に対し働きかけを行う。

その結果を新たな放課後のプランに反映する。

こどもの成長環境にかかわらず誰一人取り残すことなく健やかな成長を保障するため、ひとり親家庭等の自立に向けた支援を行う。

送迎バスにおける事故を繰り返さないよう、こどもの安全・安心対策の充実を図る。

2023年4月に「こども家庭庁」を創設し、こども政策については、こどもの視点に立って、必要な政策を体系的に取りまとめた上で、その充実を図り、強力に進めていく。

本日の内容にご興味ある方は下記にもご参加下さいませ。

========11/11(金)13:30~大阪・ズーム・録画=========

円安・物価高!「総合経済対策」が中小企業に与える影響

1.「物価高対策」の具体的内容~電気代補助はあるのか?
2.「円安」が中小企業に与える影響と経済対策の中身
3.【リスキリング1兆円】何が問題でどう変わるのか?
4.≪訪日外国人旅行消費5兆円≫を好機と捉える!
5.「新しい資本主義」ってなーに?

日  時:2022年11月11日(金)13:30~15:30、15:30~ 個別相談
場 所:大阪府大阪市北区南森町2-1-29三井住友銀行南森町ビル3F
弊社セミナールーム
最 寄 駅:地下鉄谷町線・堺筋線南森町駅 1番出口すぐ
      JR東西線大阪天満宮駅 1番出口すぐ 
    阪神高速・南森町 下車すぐ
対 象 者:経営者、役員、総務経理担当者
定  員:会場参加10名限定、ズームオンライン、録画
費  用:5,000円(顧問先様は無料)
申込方法:登録フォームよりお申し込みください
https://forms.gle/vixAfCJw9dBLRtVu6

詳細はこちら
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執筆者情報

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マネーコンシェルジュ税理士法人/ビジネスサクセション株式会社/一般社団法人スモールM&Aアドバイザー実践会(エスマップ) 代表 今村 仁

会計事務所を2社経験後ソニー株式会社に勤務。その後2003年今村仁税理士事務所を開業、2007年マネーコンシェルジュ税理士法人に改組、代表社員。ビジネスサクセション株式会社、代表取締役社長。2020年一般社団法人スモールM&Aアドバイザー実践会(エスマップ)設立、代表理事。
税理士・宅地建物取引士・CFP等

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