高速道路料金のインボイス対応
リエ「ETC等の高速道路料金について、インボイス制度への対応が明らかになったと聞きましたが、その内容について、教えてください。」
黒田「わかりました。高速道路料金の支払は、料金所で現金又はクレジットカードで支払うか、ETCにより支払うこととなります。現行の制度では、3万円未満の課税仕入れについて、法定事項を記載した帳簿の保存により、請求書等の保存がなくても、消費税の仕入税額控除が認められていました。しかし、インボイス制度の施行後は、原則として、3万円未満の課税仕入れにであっても、仕入税額控除を受けるためにはインボイスの交付を受け保存することが必要とされます。」
リエ「高速道路料金を料金所で支払えば、領収書等を受け取って保存することができますが、うちの会社では、高速道路料金をETCクレジットカードにより支払っています。クレジットカードの利用明細は、仕入税額控除を受けるための請求書等に該当しなかったと思いますが、インボイス制度の施行後は、ETCによる高速道路料金について、どのような対応が必要になるのでしょうか。」
黒田「そうですね。クレジットカードの利用明細はカード会社が発行するものであり、課税資産の譲渡等を行った事業者が発行したものではないため、仕入税額控除を受けるための請求書等に該当しません。したがって、高速道路料金をETCクレジットカードで支払う場合、インボイスの交付を受け保存する必要があります。このため、ETCクレジットカードの利用者は、インターネット上のETC利用照会サービスにおいて、ETCクレジットカード等の情報を登録し、電子データとして出力することができる利用証明書をインボイスとして保存することで、仕入税額控除を受けることができます。」
リエ「ETC利用照会サービスというものがあるんですね。出力した利用証明書は、どのように保存すればよろしいのでしょうか。」
黒田「ETCの利用証明書は電子取引データであるため、電子帳簿保存法の要件を満たした電子データによる保存が必要となりますが、令和5年12月31日までに行われた電子取引については、出力した書面等で保存することも可能ですので、電子データ保存が困難である場合は、紙に出力して保存することとなります。なお、サービスエリアやパーキングエリアなどにあるETC利用履歴発行プリンターにより取得することができる利用明細書は、インボイスの対象外となるので、注意が必要です。」
リエ「わかりました。早速、ETC利用照会サービスに登録して、利用証明書の取得方法などを確認してみます。ありがとうございました。」