コロナで税務調査はどう変わったのか?

調査件数は激減
新型コロナの感染拡大防止に向けた取組として、「三密の回避」があります。
税務調査というのは、多くの場合、比較的狭い場所に複数の税務調査官及び中小企業の経営者や経理担当者、更には顧問税理士などが集いますので、どうしても、「三密」となります。
そのため、下記にあるようにコロナで税務調査の実施件数は激減しました。
(法人税・消費税の実地調査件数)
2019年2月1日~2020年1月31日
76,000件
2020年2月1日~2021年1月31日
25,000件
コロナ前に比べて約3割の調査件数となっていて、約7割の減少となっています。
新人調査官は現場に行けず「上司不足」
コロナ禍で税務署へ入職された新人さんは、上記の調査件数の激減から、税務調査の現場経験を踏めていません。
しかもこのコロナは2年以上続いていますから、全国に多くの新人現場未経験調査官が増加していることになります。
新人さんは、最初から一人で現場に行くケースは皆無でしょうから、少なくとも最初の1案件目は、上司同行のもとに現場に行きます。
ということで、現在全国の税務署等において、「上司不足」が発生しているのではないかと思います。
実際、私が現在担当している税務調査も、担当者は管轄税務署の方ですが、上司は他地域の方となっていて、「上司不足」とおっしゃっていました。
2022年4月頃から方向性に変化
しかし、流石にこのまま税務調査の件数を減少させたままというわけにもいかない中で、今年に入ってからコロナ感染者数の落ち着きがありました。
今年の春以後である2022年4月頃からではないかと、税理士事務所の現場感覚では思いますが、税務署から税理士や納税者への「税務調査のアポ連絡」が増加してきています。
当事務所でも、いきなり3件のアポ連絡が続け様にありました。
規模感や内容などはバラバラなので、選別にそれほど時間をかけて吟味してというより、とりあえず多くの件数を、というイメージが強い感じです。
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