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教えてください! 個人型確定拠出年金の改正

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リエ「黒田さん、以前に個人事業主の方でも加入できる個人型の確定拠出年金(iDeCo)の話をお聞きしましたけど、改正があるそうで改正内容を教えて頂けますか?」

黒田「はい、2022年iDeCoの大きな改正点は3つあります。1つ目はiDeCoの受取開始時期の選択肢が2022年4月1日以降から拡大され、60歳から70歳まででしたが、改正後は60歳から75歳までとなりました。受け取りを遅らせることができるため70歳以降もさらに運用ができ、非課税メリットがあります。」

リエ「そうですね。年々平均寿命も上がってきていますしね。」

黒田「はい。2つ目は2022年5月1日から加入可能年齢が拡大されました。改正前は原則60歳未満であることが条件でしたが、改正後は会社員・公務員等の厚生年金の被保険者であるか、国民年金の被保険者であれば原則65歳未満まで加入できるようになりました。つまり、60歳以上の自営業の方、扶養として年金に加入している方や海外居住の方等は、国民年金に任意加入していることを条件として65歳未満の方の加入が可能ということになります。また、65歳以上の厚生年金の被保険者で加入期間が120月に満たない等であれば65歳以上であってもiDeCoへの加入が可能です。」

リエ「なるほど、改正前は海外居住の方はiDeCoの加入対象外でしたが国民年金に任意加入することでiDeCoにも加入することができるようになったということですね。」

黒田「その通りです。海外居住の方も20歳以上65歳未満の方が国民年金に任意加入することでiDeCoへ加入できるようになりました。3つ目は2022年10月1日から企業型確定拠出年金加入者(企業型DC)のiDeCo加入の要件緩和があります。改正前は企業型DC規約で会社掛金の上限を引き下げる労使合意や規約変更がなければ、iDeCoへの加入はできませんでした。改正後は法改正により、企業型DCに加入している人でも原則iDeCoへの加入ができるようになります。」

リエ「原則ということは、例外があるということですか?」

黒田「はい。例外として企業型DCに上乗せして、自身で掛け金を拠出する制度であるマッチング拠出とiDeCoとの併用はできませんので企業型DCに加入している方が金額を上乗せしたい場合マッチング拠出かiDeCoかを選択することになります。」

リエ「自身のメリットのある方を選択した方が良いということですね。」

黒田「そうですね。企業型DCとiDeCoの併用は拠出限度額があるのでそこも注意したいところですね。」

リエ「併用できるようになることはいいことですが、比較することや注意点が増えましたね。」

黒田「企業型DCやiDeCoのような年金のほかにもNISAやつみたてNISAなど途中で払い出しが可能なものもありますので、ご自身のライフスタイルによって選択する必要があります。」

リエ「よくわかりました。ありがとうございました。」

監修

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税理士 坂部達夫

坂部達夫税理士事務所/(株)アサヒ・ビジネスセンター

 東京都墨田区にて平成元年に開業して以来、税務コンサルを中心に問題解決型の税理士事務所であることを心がけて参りました。
 おかげさまで弊所は30周年を迎えることができました。今後もお客様とのご縁を大切にし、人に寄り添う税務に取り組んでいきます。

メールマガジンやセミナー開催を通じて、様々な情報を発信しています。

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リエ「黒田さん、以前に個人事業主の方でも加入できる個人型の確定拠出年金(iDeCo)の話をお聞きしましたけど、改正があるそうで改正内容を教えて頂けますか?」黒田「はい、2022年iDeCoの大きな改正点は3つあります。1つ目はiDeCoの受取開始時期の選択肢が2022年4月1日以降から拡大され、60歳から70歳まででしたが、改正後は60歳から75歳までとなりました。受け取りを遅らせることができるため70歳以降もさらに運用ができ、非課税メリットがあります。」リエ「そうですね。年々平均寿命も上がってきていますしね。」黒田「はい。2つ目は2022年5月1日から加入可能年齢が拡大されました。改正前は原則60歳未満であることが条件でしたが、改正後は会社員・公務員等の厚生年金の被保険者であるか、国民年金の被保険者であれば原則65歳未満まで加入できるようになりました。つまり、60歳以上の自営業の方、扶養として年金に加入している方や海外居住の方等は、国民年金に任意加入していることを条件として65歳未満の方の加入が可能ということになります。また、65歳以上の厚生年金の被保険者で加入期間が120月に満たない等であれば65歳以上であってもiDeCoへの加入が可能です。」リエ「なるほど、改正前は海外居住の方はiDeCoの加入対象外でしたが国民年金に任意加入することでiDeCoにも加入することができるようになったということですね。」黒田「その通りです。海外居住の方も20歳以上65歳未満の方が国民年金に任意加入することでiDeCoへ加入できるようになりました。3つ目は2022年10月1日から企業型確定拠出年金加入者(企業型DC)のiDeCo加入の要件緩和があります。改正前は企業型DC規約で会社掛金の上限を引き下げる労使合意や規約変更がなければ、iDeCoへの加入はできませんでした。改正後は法改正により、企業型DCに加入している人でも原則iDeCoへの加入ができるようになります。」リエ「原則ということは、例外があるということですか?」黒田「はい。例外として企業型DCに上乗せして、自身で掛け金を拠出する制度であるマッチング拠出とiDeCoとの併用はできませんので企業型DCに加入している方が金額を上乗せしたい場合マッチング拠出かiDeCoかを選択することになります。」リエ「自身のメリットのある方を選択した方が良いということですね。」黒田「そうですね。企業型DCとiDeCoの併用は拠出限度額があるのでそこも注意したいところですね。」リエ「併用できるようになることはいいことですが、比較することや注意点が増えましたね。」黒田「企業型DCやiDeCoのような年金のほかにもNISAやつみたてNISAなど途中で払い出しが可能なものもありますので、ご自身のライフスタイルによって選択する必要があります。」リエ「よくわかりました。ありがとうございました。」
2022.06.27 16:47:56