HOME コラム一覧 第32回 ポスレジやPC・タブレットも対象!インボイス制度にも対応!2022年度のIT導入補助金はどうなる?

第32回 ポスレジやPC・タブレットも対象!インボイス制度にも対応!2022年度のIT導入補助金はどうなる?

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 IT導入補助金とは中小企業庁で公募される大人気の補助金であり、職場の業務改善や事業の生産性向上に資するITツール(=ソフトウェア)の導入を支援します。尚、ITツールはIT導入補助金事務局で正式に登録されたものしか導入できません。2022年度になり、今までの要件から大幅に変更されています。そこで今回は2022年度のIT導入補助金の変更点についてご紹介します!

〇インボイス対応の新設枠「デジタル化基盤導入枠」とは?

 IT導入補助金に「通常枠」の他に、「デジタル化基盤導入枠」という特別枠が新設されました。2023年10月から開始するインボイス制度を見据えた枠です。
 インボイス制度は消費税率10%への引上げ及び軽減税率の導入に伴って制定された制度であり、「適格請求書等保存方式」とも言われています。「商品に課税されている消費税率・消費税額を明記した請求書(適格請求書)に基づき、消費税を計算・納付しましょう」という制度です。課税売上から課税仕入に関する消費税を控除することができます。
 「デジタル化基盤導入枠」では、導入するITツールがこのインボイス制度に対応していることがマストとなります。また、「会計」・「受発注」・「決済」・「EC」のいずれか1つ以上の機能を持つことも必須です。
 補助率は補助額によって変わります。補助額5万円~50万円以下の場合は補助率4分の3、50万円超~350万円以下の場合は補助率3分の2となります。50万円超の補助金を受ける場合は、ITツールが「会計」・「受発注」・「決済」・「EC」のうち2機能以上を有していることが必要です。補助額が小さいほど補助率が大きくなるのは、資本金規模が小さい小規模事業者や個人事業主に対してインボイス対応するための設備投資を促すためと考えられます。

〇「デジタル化基盤導入枠」ではポスレジやPCも対象経費

 対象経費はソフトウェアやクラウドサービスの利用費(最大2年分)の他に、PC・タブレット・プリンター・スキャナー及びそれらの複合機器、POS レジ・モバイル POS レジ・券売機といったハードウェアも含まれます。尚、「IT導入補助金で導入するソフトウェアの使用に資すること」が要件となっており、ハードウェア単独での申請はできません。
 また、補助上限額と補助率もソフトウェアと異なり、PC・タブレット等は補助上限額10万円、補助率2分の1、POS レジ・券売機等は補助上限額20万円、補助率2分の1となります。この上限額ですが、「PC1個につき10万円まで」ではなく「導入するPC全てにつき10万円まで」となります。つまりPC1~2個が導入できる限度となります。こちらも小規模事業者や個人事業主のインボイス対応を促すためと考えられます。

〇「通常枠」の変更点は?

 一方、「通常枠」ですが、こちらは昨年度とほぼ要件は変わりません。導入する機能の数に応じてA類型(補助額30万~150万円未満)、B類型(補助額150万円~450万円以下)に分かれ、どちらも補助率2分の1となります。補助対象経費はソフトウェア導入費、クラウドサービスの利用費(最大1年分)、導入関連経費となります。
 尚、通常枠でもインボイス対応を促すために、加点項目として「インボイス制度対応のITツール選定」があります。

〇申請の際の注意点とは?

 申請は原則オンラインのみとなります。申請には「gBizIDプライムアカウント」と「SECURITY ACTION」の宣言が必要です。「gBizIDプライムアカウント」は、取得自体は無料ですが発行自体は2~3週間程かかります。「SECURITY ACTION」は情報セキュリティ対策に取組むことを自己宣言する制度で、「★一つ星」または「★★二つ星」を宣言することがマストです。
 オンライン申請するにはいくつか注意点があります。まず、大前提として履歴事項全部証明書(発行から3か月以内)、納税証明書(直近分)の書類をきちんと揃えるとともに、申請時に記入する会社情報(法人名、資本金、役員情報等)が履歴事項全部証明書と整合性があるように注意しなければなりません。
 電子申請では「経営状況についての入力」という項目があり、「経営理念・ビジョン」「セキュリティの状況」「今回によって強化したい部門」と言った複数選択式の設問がいくつか置かれています。その選択肢で「わからない」「経営意欲を特に意識したことがない」「セキュリティ対策を講じる予定はない」等、ネガティブな選択肢にチェックを入れないようにしましょう。また、「その他(フリー記入)」という選択肢が含まれる項目がありますが、なるべくその選択肢にチェックを入れて会社の状況に合わせた内容を記入していきましょう。具体的に会社の状況を伝えることが採択率アップにつながります。

〇採択されやすい事業計画を策定するには?

 審査では、選定したITツールを導入することによって自社のどのような課題がどのように解決するのか具体的に説明しているかが見られます。そのため、「欲しいITツールがあるから、それに沿った課題を無理に拵える」のではなく、「自社の強み・弱みを明確にした上で、強みを強化して弱みを補うITツールを探す」というプロセスを踏まえた方が事業計画を策定しやすく採択されやすくなります。
 たとえば、ある文房具卸業の企業では、安さと取引先の多さという強みがありましたが、「在庫と会計が非連携」と「取引先で即決ができず、経営判断も遅れ気味」という弱みがありました。そこで、受発注・在庫・会計の連動ソフト、及び顧客先で社内状況がわかるSFAを導入することによって、即断即決で売上がアップし、無駄な残業を大幅削減できました。
 申請予定の事業計画に整合性・一貫性があり、計画で設定した目標値を無理なく達成できるか何度も精査しておきましょう。また、「インボイス対応」等の加点項目も満たしているかチェックしましょう。
 申請の際は導入予定のITツールを扱う「IT導入支援事業者」が申請のサポートと採択後のフォローを行います。申請前にIT導入支援事業者に補助金やITツールの詳細について確認しておくことをおすすめします。

IT導入補助金(デジタル化基盤導入枠)

補助額

補助率

要件

対象経費

補助額5万円~50万円以下

4分の3

「会計」・「受発注」・「決済」・「EC」のいずれか1つ以上

ソフトウェア

クラウドサービスの利用費(最大2年分)

PC・タブレット・プリンター・スキャナー及びそれらの複合機器

POS レジ・モバイル POS レジ・券売機

50万円超~350万円以下

3分の2

「会計」・「受発注」・「決済」・「EC」のいずれか2つ以上

執筆者情報

株式会社ナビット

わたしたち株式会社ナビットは補助金・助成金情報検索サイト「助成金なう」を運営しております。
「助成金なう」では官公庁や地方自治体、財団・協会で公示されている全国各地の補助金・助成金を検索できます。また、顧客にとって最適な補助金・助成金のご提案、補助金・助成金に関する疑問をわかりやすく解説するサービスなども行っております。
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2022.05.02 17:44:52