知って得するセキュリティのはなし その158
京セラ複合機に情報漏えいの脆弱性…サポート連絡によるファームウェア更新を
1.このニュースをざっくり言うと
- 4月5日(日本時間)、京セラ子会社の京セラドキュメントソリューションズ社(以下・京セラDS)より、同社製の複合機に情報漏えいの脆弱性(CVE-2022-1026)が存在すると発表されました。
- 脆弱性の悪用により、機器へのログイン権限がない外部の攻撃者が、機器に登録されているアドレス帳・ユーザー名・パスワード等の情報を不正に取得可能とされています(同11日にはJPCERT/CCからも注意喚起が出されています)。
- 対象機種は、カラー・モノクロ複合機TASKalfa 55種、同ECOSYS 5種、およびプロダクションプリンターTASKalfa Pro 2機種の、計62機種となるとのことです(4月19日現在)。
- 京セラDS社では保守実施店のカスタマーエンジニアによるファームウェアの更新適用を行うとしており、その他回避策として「ファイアウォールなどで保護された環境の中での利用」「プライベートIPアドレスの使用」を挙げています。
2.執筆者からの所感等
- 脆弱性は3月の時点でセキュリティスキャナー等を提供するRapid7社の技術者によって発見されていた模様で、被害を受ける情報には極めてセンシティブなものも含まれており、該当するすべての機器においてファームウェアの更新は必須となるでしょう。
- 複合機やNASあるいはいわゆるIoT機器においては、機器自身やルーターで有効になっていたUPnPによって外部からの接続が可能となるよう自動的に設定されるケース(さらには管理画面へのアクセスまで可能になっている可能性)もあり、そういった状態になっている機器を探し出す「SHODAN」「Censys」等のサーチエンジンも存在します。
- 機器自体の安全な設定やUTMの設置等によるアクセス遮断のための対策を実行した上で、依然外部からアクセス可能な状態となっていないか、第三者機関の診断や、場合によっては前述のサーチエンジンによってもポートフィルタリング状況をチェックすることが重要となるでしょう。