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【一般】会計事務所が行う中小企業経営支援-4

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~書籍『会計事務所の経営支援-経営会計専門家の仕事-』(中央経済社)より
同書籍プレゼント(先着100名様)については文末の案内をご覧ください

企業再生に見る会計の役割

 財務会計だけが会計だという思い違いのために、会計が企業の成長を阻害してしまっているようなことが多々ある。利益を上げることよりも節税が優先されてしまうため、経営のために会計が活用されることなく、せっかくの優れた技術や営業力が利益に結びつかない現状が見えてくる。経営に会計が役立つ姿を顕著に見ることができるのは、企業再生である。

 大企業の事例でいえば、2010年に経営破綻した日本航空が、京セラの稲森和夫名誉会長の強いリーダーシップの下でアメーバ経営という経営手法を用いて劇的な再生を遂げたことは記憶に新しい。アメーバ経営は経営理念と管理会計(部門別採算制度)を両輪とした経営手法である。日本航空の再生事例では、不採算路線の廃止やリストラなどから得られる効果をはるかに上回る成果がアメーバ経営の導入によって得られている。

―中略―

 実は、中小企業の多くも、管理会計を活用して企業再生に成功している。中小企業再生支援協議会によれば、その支援を受けて再生に取り組んでいる企業の6割弱(6,991/12,237社、2017年6月までの累計数)が、管理会計手法の導入によって経営改善を図っている。多くの事例を通じて、比較的シンプルな管理会計技法を活用することで、企業の業績が長く経営に苦しみ、事実上の経営破綻状態にあったような企業が再生に成功していることがわかってきている。少なくとも企業再生において管理会計が経営改善に役立っていることは疑いない。

会計事務所が行う中小企業経営支援-5へ続く


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当コラム(全7回シリーズ)は、書籍『会計事務所の経営支援-経営会計専門家の仕事-』第1章(序章に該当)の内容を、文書・図表等の一部を略し、web掲載用に再編集したものです。希望者には本編書籍を1所在地あたり1冊、無償でお届け致します(先着100名様限定・送料無料)。お届け先の郵便番号・所在地・事務所名(法人名)・部署名(必要な場合のみ)・氏名をEメールでお知らせ下さい。受付Eメールアドレスは、下記の通り一般社団法人コンサル技連(略称:CML)の代表アドレスです。Eメールの表題には【書籍希望】の文言を含めていただけると幸いです。
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【書籍概要】
タイトル等:

『会計事務所の経営支援―経営会計専門家の仕事』(中央経済社)
定価/本体2,600円+税 256ページ

著者(共著):

京都大学大学院経済学研究科 経営管理大学院教授 経済学博士
一般社団法人コンサル技連(略称:CML)顧問 澤邉紀夫

公認会計士・税理士 京都大学経営管理大学院特命教授
一般社団法人コンサル技連(略称:CML)代表理事 吉永茂

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一般社団法人コンサル技連

【コラム紹介文】
一般社団法人コンサル技連(略称:CML)/代表理事 吉永茂が、全国の士業事務所の皆様に、中小企業に対する“経営助言業務”の強化を図るための様々な視点を提示します。
 得意とする建設業種特化のみならず、幅広い業種に適用できるテーマを取り上げます。
【経歴】
1942年生まれ
中央大学卒
公認会計士・税理士
建設会社勤務中、公認会計士試験に合格。監査法人勤務を経て、35歳で独立、現在に至る。
熊本学園大学会計職専門大学院 専任教授(前職)
一般社団法人コンサル技連 代表理事
税理士法人ユース会計社 会長
京都大学経営管理大学院 特命教授

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2021.04.01 16:46:41