税務署書類の押印義務の廃止(令和3年度税制改正大綱)
リエ「税務署書類の押印義務が廃止されるというのは本当でしょうか。」
黒田「はい。令和2年12月21日に閣議決定された令和3年度税制改正の大綱において、令和3年4月1日以降に提出する税務関係書類の押印義務の原則廃止が明記されています。」
リエ「確定申告書への押印も不要になるということでしょうか。」
黒田「個人の確定申告書への押印は不要となります。ですが、相続税申告関連の書類への押印義務は廃止されておりません。税務署のホームページの『税務署窓口における押印の取扱いについて』にも記載されています。」
リエ「具体的にはどのような書類の押印が不要となるのでしょうか。」
黒田「確定申告書、法定調書、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、青色申告決算書、個人事業の開業・廃業等届出書などがあげられます。押印廃止の対象外とされた書類は、(1)担保提供書類などのうち実印による押印や印鑑証明書の添付が求められている書類、(2)相続税等の特例における添付書類のうち財産分割協議に関する書類になります。」
リエ「令和2年分の確定申告書の提出期限が延長されていますので、4月1日以降に提出する場合には押印不要ということになるのでしょうか。」
黒田「押印義務が廃止される書類に関して、4月1日以前に押印されていない状態で申告書を提出された場合でも改めて押印を求めないとされていますので、令和2年分の確定申告書は押印無しでも提出可能だと考えられます。」
リエ「住民税の確定申告書も押印不要で提出可能でしょうか。」
黒田「署名又は記名押印を選択性にするなど地方自治体によって対応が異なる場合がありますので、事前に提出先の地方自治体へ確認をいただいたほうがよろしいかと思います。」
リエ「事前に手続きを行えばスマートフォンで確定申告書の提出も行えますし、近い将来、電子データでの確定申告書提出義務化なんて日がくるかもしれませんね。」