集客・マーケティングを考えよう3
報酬設定の自由化以降、過当競争が繰り広げられる戦場と化している業界。開業を実行に移した場合、その中で生き残っていく必要があります。生き残り戦略の肝となるのは、マーケティングや集客です。先行する多くの先輩税理士がひしめいているマーケットに飛び込んでいくには、確固たる戦略が必要不可欠なのです。今回は、オフラインでの集客・マーケティングについて考えます。
最初は人脈からの紹介が中心となる
前回までの2回では、オフラインでの集客についてみていきました。今の時代、オンライン集客は幅広い見込み客からの集客やマーケティングを考えると外すことのできないテーマだからです。ただ、オンライン集客・マーケティングにも弱点があります。それは、効果が出るまでに時間がかかるということ。そこで考えたいのが人脈などを通じたオフラインでの集客です。実際に、開業当初のお客様は知り合いを通したご紹介というのが多くなると思います。このあたりを見ていきましょう。
1.紹介
お客様や取引先、知り合いなどにお客様を紹介してもらう方法。紹介が安定して入る状態を作ることができれば、継続的に安定した売上を上げられることが期待できます。
紹介をしてもらえるということは、学生時代や会社員時代の友達や先輩、上司などいままで知り合った人達や、既存のお客様や取引先を大切にしていることの裏返しでもあります。あなたのことをよく思っていなかったり、自分が良いと思っていないような商品・サービスは人にも勧めたくないし紹介した人に迷惑を掛けてしまう可能性があるからです。日頃から信用を高め、丁寧に仕事をしていくことが更なる売上につながることを意識していきたいものです。
開業したばかりの方にオススメなのは、「開業したばかりで食えないから困っている」、「事務所経営を安定させたい」、だから、「ぜひ、紹介してください!」と、会うひとごとに声がけすることです。恥ずかしいとかプライドがとか言っている場合ではありません。ぜひ、周りに協力してもらいましょう。
2.あらゆる飲み会などへの参加
普通の飲み会に積極的に参加する方法です。日頃関わる人との交流を深め、飲み会の情報があれば自分も参加させてもらいましょう。一番効果的なのは自分が主催するか、幹事を買って出ること。全ての人に名前を覚えてもらい、関わるチャンスが生まれます。ただ、コロナ対応ということもあります。オンラインでのZOOM飲み会でも構いません。
3.交流会・セミナーなどへの参加
ビジネス交流会やセミナーなどに参加して人脈を広げる手法です。印象として残して欲しい自分のイメージ像を決め、それに沿って自己紹介することがポイントです。ただ、売り込みが強すぎると嫌われる可能性もあり、注意が必要です。自分の業界や興味となるべく遠い集まりに顔を出すのも新たな人脈作りには有効です。
4.団体への所属
各種団体などに所属して、濃い人脈を形成していく方法です。例えば、青年会議所(JC)、ロータリークラブ、ライオンズクラブ、法人会、商工会、BNI、業界団体など。地域を基盤とするビジネスには特に効果があります。
5.セミナー、ワークショップなどの開催
自分でセミナーやワークショップなどを開催する方法。セミナー自体の売上を期待するのではなく、そこに参加してもらえた参加者にバックエンド商品(顧問契約など)を買ってもらうことを目的として開催するのが一般的です。コロナ対応として、ZOOMなどのウェビナーを行うのも良いでしょう。
6.ジョイントベンチャー・提携
ジョイントベンチャーとはある会社と別の会社がお互いの経営資源(顧客基盤など)を活用してお互いのビジネスを拡大していく手法です。例えば、A社とB社がお互いにそれぞれの顧客を紹介する
などです。
ジョイントベンチャーの手法を身につければ、お金を掛けずに効率的に提携網を広げ、売上の拡大を図ることが可能です。非常に起業家向きのマーケティング手法。ぜひ積極的に取り組んでいただきたいテーマです。ビジネス上で新たに誰かに出会った場合、その人と組める可能性がないか、一度必ず考えてみるくらいでちょうど良いかと思います。
ポイントは2点。相手の手間を極限までメリットを最大限に考えること、相手の手間とリスクを極限まで減らしてあげることです。
7.飛び込み営業
対象エリアの店舗、オフィス、住まいなどに直接アポなしで訪問していく営業手法です。100件訪問しても、まともに話を聞いてもらえるのが数件といった世界のため、あまり効率の良いやり方とはいえません。ただし、開業当初に知り合いやご近所にあいさつに行くというのはもちろんやるべきです。
8.DM
DMとはダイレクトメールの略で、ターゲット顧客層のリストを入手し、手紙、チラシ、パンフレットなどの広告物を郵送する方法です。どのような層に絞って送るか、どんなものを送るかがポイントとなります。広告媒体、郵便代などで多額の費用がかかるため、単発の商品・サービスでは元が取れない可能性があります。
9.書籍の出版
書籍の出版をして広告効果を狙う方法です。商業出版の場合、そもそも売れる可能性のある企画でないと実現できません。開業してすぐに出版を狙うというよりも、将来的に出版を目指して実績を積み重ねていくという方向性になるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?究極をいえば、一番大事なのは、紹介です。紹介がどんどん来るようになるということは、信用ができたということ。ブランディングが成功している証ともいえます。最初の段階は知り合いからの紹介が中心となるでしょう。日頃から周囲の人を大切にしたいですね。