HOME コラム一覧 第16回 新規開業に使える助成金をご紹介!中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース) とは?

第16回 新規開業に使える助成金をご紹介!中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース) とは?

post_visual

長年仕事を培った経験を生かすために、独立して新規開業する方も少なくないかと思います。省庁や多数の自治体ではそんな新規開業した方に向けて、設備投資や人材登用等の取組を支援するための助成金・補助金を設けています。
今回は厚生労働省の中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)についてご紹介します。また新規開業した方が使える補助金として小規模事業者持続化補助金についても解説致します。

1. 中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)

中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)とは、40歳以上の中高年齢者が起業を行い、事業運営のために必要となる従業員を雇用し、教育訓練を行った場合、そのかかった経費の一部を助成します(雇用創出措置助成分)。また、一定期間内に事業の生産性を向上させた場合、助成金が加算されます(生産性向上助成分)。
起業者の要件として40歳以上であることの他に、以下のいずれか2つを満たす必要があります。「1.国、自治体、金融機関等が実施する創業セミナー等の支援を受けること」、「2.起業した事業の分野において通算10年以上の経験があること」、「3.金融機関の融資を受けていること」、「4.総資産額が1,500万円以上あり、かつ総資産額から負債額を引いた額が総資産額の40%以上であること」です。
申請するには、まず起業した日から起算して 11 か月以内に「雇用創出措置に係る計画書」を管轄の労働局に提出し、都道府県労働局長の認定を受けることが必要です。そして、その計画書に記載した計画期間内(12 か月以内)に労働者を一定数以上雇用しなければなりません。
尚、雇用する労働者にも条件があります。雇用する労働者の数は、「60歳以上を1名以上」、「40歳以上60歳未満を2名以上、または40歳未満を3名以上(40歳以上1名と40歳未満2名でも可)」を満たさなければなりません。この雇用した労働者について、支給申請書の提出日時点で過半数が離職していた場合、申請はできません。また、起業日から起算して支給申請日までの離職者数が、計画期間内に雇用した労働者の数を超えないことも要件となります。
上記の要件を満たした場合、有料職業紹介事業の利用料や就職説明会の実施費用、従業員に対する研修費用等の経費に対する助成金を支給します(雇用創出措置助成分)。尚、起業者の年齢に応じて、上限額と助成率が変わります。
起業者が60歳以上の場合、助成率は2/3、上限額は200万円となります。起業者が40歳~59歳の場合、助成率は1/2、上限額は150万円となります。
さらに以下の条件を満たすことで上記助成額の1/4が加算されます(生産性向上助成分)。
「1. 生産性向上助成分の支給申請書提出日時点で、「雇用創出措置に係る計画書」に記載した事業が継続している」、「2.雇用創出措置助成分の支給申請日の翌日から生産性向上助成分の支給申請日までに、事業主都合で解雇した従業員がいないこと」、「3.「雇用創出措置に係る計画書」を提出した日の3年度経過後の会計年度の生産性の伸び率が6%以上であること」等です。
40歳以上であり尚且つキャリアを積んだ方には特におすすめの創業系助成金です。該当する方は是非申請をご検討ください。

2.小規模事業者持続化補助金

新規開業した方のほとんどは、まずは小規模事業者(商業・サービス業:常時使用する従業員の数5人以下、宿泊業・娯楽業:20人以下、製造業その他:20人以下)からのスタートになるかと思います。小規模事業者は前回ご紹介した中小企業庁の小規模事業者持続化補助金を活用することができます。尚、申請日時点でまだ開業していない創業予定者は対象外となるため、ご注意ください。
小規模事業者持続化補助金は販路開拓を支援します。「事業に必要な設備を導入する」、PR用チラシやインターネット広告を打ち出す」、「店舗を改装する」等、幅広い範囲で販路開拓にかかる費用を補助します。補助率は2/3、上限額は50万円となります。
尚、「認定市区町村による特定創業支援等事業の支援を受けた小規模事業者」 に該当した場合、上限額が100万円にアップします。該当するには以下の条件を満たす必要があります。「1.特定創業支援等事業というプログラムによる支援を過去3か年度の間に受けたこと」、「2. 2020 年1月1日以降に開業したこと」です。

執筆者情報

株式会社ナビット

わたしたち株式会社ナビットは補助金・助成金情報検索サイト「助成金なう」を運営しております。
「助成金なう」では官公庁や地方自治体、財団・協会で公示されている全国各地の補助金・助成金を検索できます。また、顧客にとって最適な補助金・助成金のご提案、補助金・助成金に関する疑問をわかりやすく解説するサービスなども行っております。
個人事業主様から大手企業様まで、業種・規模を問わず幅広い層のお客様にご活用いただいている人気サイトです!

この記事のカテゴリ

この記事のシリーズ

補助金・助成金のススメ

記事の一覧を見る

関連リンク

第1回 補助金と助成金の違いをご存知ですか?

第15回 販路開拓を幅広く支援!小規模事業者持続化補助金とは?

税務・会計に関する情報を毎週無料でお届けしています!

メルマガ登録はこちら


コラム
/column/2020/img/thumbnail/img_46_s.jpg
長年仕事を培った経験を生かすために、独立して新規開業する方も少なくないかと思います。省庁や多数の自治体ではそんな新規開業した方に向けて、設備投資や人材登用等の取組を支援するための助成金・補助金を設けています。今回は厚生労働省の中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)についてご紹介します。また新規開業した方が使える補助金として小規模事業者持続化補助金についても解説致します。
2020.10.27 16:07:12