HOME コラム一覧 第15回 販路開拓を幅広く支援!小規模事業者持続化補助金とは?

第15回 販路開拓を幅広く支援!小規模事業者持続化補助金とは?

post_visual

小規模事業者持続化補助金は中小企業庁の補助金の中でも特に人気が高く、通年公募されています。この補助金は主に小規模事業者による販路開拓にかかる経費を補助します。また、事業計画の作成や販路開拓等の実施の際、商工会議所の指導・助言を受けられます。今回はこの小規模事業者持続化補助金についてご紹介します。
小規模事業者の定義は、「製造業その他:常時使用労働者20人以下」、「商業・サービス業5人以下(宿泊業・娯楽業は20人以下)」という基準を満たした事業者となります。補助対象者となるのは企業、個人事業主、一定の要件を満たした特定非営利活動法人となります。医療法人、財団法人、創業予定者等は対象外となります。
補助対象事業は「販路開拓」に該当すれば幅広い取組が含まれます。「陳列棚の購入」「販促用チラシの作成」「マスコミを用いた宣伝」「ECサイトの構築」「展示会への出展」「商品開発に必要な図書購入」「チラシのポスティング」「コンサルタントの指導」「店舗改装」等が例となります。
また、生産性向上・業務効率化につながる取組も補助対象事業となります。「業務改善の専門家からの指導による長時間労働削減」「整理スペースの導入のための店舗改装」「倉庫管理システムのソフトウェアの購入」「POSレジソフトウェアの購入」等の取組が該当します。尚、小規模事業者持続化補助金は「販路開拓」が主目的であるため、「生産性向上・業務効率化」のみを目的とした申請はできません。
「一般枠」としての補助額は補助上限額50万円、補助率3分の2となります。ただし、「コロナ特別枠」として申請すると補助額が上がります。この枠で申請するには対象経費の6分の1以上が、新型コロナ対策に資する以下いずれかの取組を行うことが要件となります。「(A)サプライチェーンの毀損への対応:補助率2/3」「(B)非対面型ビジネスモデルへの転換:補助率3/4」「(C)テレワーク環境の整備:補助率3/4」です。また、補助上限額はどの取組でも100万円までアップします。
さらに「事業再開枠」も設けられています。こちらはガイドラインに基づく感染拡大防止の取組を行った場合、その経費を上限50万円(補助率10/10)まで上乗せ支給するものです。また、飲食店や宿泊施設等クラスター対策が特に必要と考えられる施設を運営する事業者に対してはさらに50万円を上乗せします。
補助対象経費の範囲は幅広く、「①機械装置等費」「②広報費」「③展示会等出展費」「④旅費」「⑤開発費」「⑥資料購入費」「⑦雑役務費」「⑧借料」「⑨専門家謝金」「⑩専門家旅費」「⑪車両購入費」「⑫設備処分費」「⑬委託費」「⑭外注費」に分かれています。中古品も税抜50万円未満であれば対象です。尚、対象外経費として「申請前に購入したもの」「電話代・インターネット利用料金等の通信費」「飲食、接待等の費用」「金融機関への振込手数料」「直接人件費」等があります。
また、補助対象経費の根拠として見積書を用意する必要があり、以下3点に注意する必要があります。(1)税込100万円を超える契約については相見積を取らなくてはなりません。相見積は原則金額の安い方が採択されます。また、中古品の購入については金額に関わらず相見積必須となります。(2)見積書の有効期間は少なくとも事業実施期間以降にしなくてはなりません。(3)見積書のハンコは社印であることが必要です。担当者個人のハンコは不可となります。
公募期間はおおよそ4カ月ごとに締切を設けています(第1回締切2020年3月31日、第2回締切6月5日、第3回締切10月2日、第4回締切2021年2月5日)。事業実施期間は各締切日からおおよそ9カ月程度となります。
採択実績について、2020年度の「一般型(第2回締切分)」では申請数19154件に対し採択数12478件(採択率約65%)となり、ものづくり補助金等の他の補助金と比べて、高い採択率となっています。今年2020年度から2022年度にかけて約10万件を採択予定であることから、今年以降も高い採択率になると見込まれます。
採択の審査では「自社のサービスや強みを客観的に把握しているか?」「対象とする市場の特性を踏まえた目標か?」「実現可能か?創意工夫があるか?ITを有効活用しているか?」「事業実施に必要であり且つ正確な経費となっているか?」等がチェックされます。
また、「事業完了後1年間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させる計画を有し、従業員に表明していること」「代表者の年齢が満60歳以上であって、かつ、後継者候補が中心となって補助事業を実施する事業者」「経営力向上計画の認定を取得した事業者」等の加点項目があります。また、減点項目として「過去3年間に、小規模事業者持続化補助金の交付決定を受けたこと」があります。
小規模事業者持続化補助金は来年度以降も通年公募される見込みです。販路開拓をしたい小規模事業者は是非申請をしてみましょう!

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者

の定義

製造業その他:常時使用労働者20人以下

商業・サービス業5人以下

(宿泊業・娯楽業は20人以下)

補助上限額

原則50万円

補助率

原則2/3

補助対象事業

販路開拓に関する幅広い取組

・販促用チラシの作成

・マスコミを用いた宣伝

・ECサイトの構築

・展示会への出展

・店舗改装 等

公募期間

第1回締切:2020年3月31日

第2回締切:2020年6月5日

第3回締切:2020年10月2日

第4回締切:2021年2月5日

執筆者情報

株式会社ナビット

わたしたち株式会社ナビットは補助金・助成金情報検索サイト「助成金なう」を運営しております。
「助成金なう」では官公庁や地方自治体、財団・協会で公示されている全国各地の補助金・助成金を検索できます。また、顧客にとって最適な補助金・助成金のご提案、補助金・助成金に関する疑問をわかりやすく解説するサービスなども行っております。
個人事業主様から大手企業様まで、業種・規模を問わず幅広い層のお客様にご活用いただいている人気サイトです!

この記事のカテゴリ

この記事のシリーズ

補助金・助成金のススメ

記事の一覧を見る

関連リンク

第1回 補助金と助成金の違いをご存知ですか?

第14回 パソコン・タブレットも対象経費に!東京都のテレワーク定着促進助成金とは?

税務・会計に関する情報を毎週無料でお届けしています!

メルマガ登録はこちら


コラム
/column/2020/img/thumbnail/img_46_s.jpg
小規模事業者持続化補助金は中小企業庁の補助金の中でも特に人気が高く、通年公募されています。この補助金は主に小規模事業者による販路開拓にかかる経費を補助します。また、事業計画の作成や販路開拓等の実施の際、商工会議所の指導・助言を受けられます。今回はこの小規模事業者持続化補助金についてご紹介します。小規模事業者の定義は、「製造業その他:常時使用労働者20人以下」、「商業・サービス業5人以下(宿泊業・娯楽業は20人以下)」という基準を満たした事業者となります。補助対象者となるのは企業、個人事業主、一定の要件を満たした特定非営利活動法人となります。医療法人、財団法人、創業予定者等は対象外となります。補助対象事業は「販路開拓」に該当すれば幅広い取組が含まれます。「陳列棚の購入」「販促用チラシの作成」「マスコミを用いた宣伝」「ECサイトの構築」「展示会への出展」「商品開発に必要な図書購入」「チラシのポスティング」「コンサルタントの指導」「店舗改装」等が例となります。また、生産性向上・業務効率化につながる取組も補助対象事業となります。「業務改善の専門家からの指導による長時間労働削減」「整理スペースの導入のための店舗改装」「倉庫管理システムのソフトウェアの購入」「POSレジソフトウェアの購入」等の取組が該当します。尚、小規模事業者持続化補助金は「販路開拓」が主目的であるため、「生産性向上・業務効率化」のみを目的とした申請はできません。「一般枠」としての補助額は補助上限額50万円、補助率3分の2となります。ただし、「コロナ特別枠」として申請すると補助額が上がります。この枠で申請するには対象経費の6分の1以上が、新型コロナ対策に資する以下いずれかの取組を行うことが要件となります。「(A)サプライチェーンの毀損への対応:補助率2/3」「(B)非対面型ビジネスモデルへの転換:補助率3/4」「(C)テレワーク環境の整備:補助率3/4」です。また、補助上限額はどの取組でも100万円までアップします。さらに「事業再開枠」も設けられています。こちらはガイドラインに基づく感染拡大防止の取組を行った場合、その経費を上限50万円(補助率10/10)まで上乗せ支給するものです。また、飲食店や宿泊施設等クラスター対策が特に必要と考えられる施設を運営する事業者に対してはさらに50万円を上乗せします。補助対象経費の範囲は幅広く、「①機械装置等費」「②広報費」「③展示会等出展費」「④旅費」「⑤開発費」「⑥資料購入費」「⑦雑役務費」「⑧借料」「⑨専門家謝金」「⑩専門家旅費」「⑪車両購入費」「⑫設備処分費」「⑬委託費」「⑭外注費」に分かれています。中古品も税抜50万円未満であれば対象です。尚、対象外経費として「申請前に購入したもの」「電話代・インターネット利用料金等の通信費」「飲食、接待等の費用」「金融機関への振込手数料」「直接人件費」等があります。また、補助対象経費の根拠として見積書を用意する必要があり、以下3点に注意する必要があります。(1)税込100万円を超える契約については相見積を取らなくてはなりません。相見積は原則金額の安い方が採択されます。また、中古品の購入については金額に関わらず相見積必須となります。(2)見積書の有効期間は少なくとも事業実施期間以降にしなくてはなりません。(3)見積書のハンコは社印であることが必要です。担当者個人のハンコは不可となります。公募期間はおおよそ4カ月ごとに締切を設けています(第1回締切2020年3月31日、第2回締切6月5日、第3回締切10月2日、第4回締切2021年2月5日)。事業実施期間は各締切日からおおよそ9カ月程度となります。採択実績について、2020年度の「一般型(第2回締切分)」では申請数19154件に対し採択数12478件(採択率約65%)となり、ものづくり補助金等の他の補助金と比べて、高い採択率となっています。今年2020年度から2022年度にかけて約10万件を採択予定であることから、今年以降も高い採択率になると見込まれます。採択の審査では「自社のサービスや強みを客観的に把握しているか?」「対象とする市場の特性を踏まえた目標か?」「実現可能か?創意工夫があるか?ITを有効活用しているか?」「事業実施に必要であり且つ正確な経費となっているか?」等がチェックされます。また、「事業完了後1年間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させる計画を有し、従業員に表明していること」「代表者の年齢が満60歳以上であって、かつ、後継者候補が中心となって補助事業を実施する事業者」「経営力向上計画の認定を取得した事業者」等の加点項目があります。また、減点項目として「過去3年間に、小規模事業者持続化補助金の交付決定を受けたこと」があります。小規模事業者持続化補助金は来年度以降も通年公募される見込みです。販路開拓をしたい小規模事業者は是非申請をしてみましょう!
2020.10.13 17:13:08