HOME コラム一覧 創業融資でよくある否決理由【part3】

創業融資でよくある否決理由【part3】

post_visual

元公庫職員VTuberのみつきです。

前回は「最もよくある否決理由」についてご紹介しました。
第3回目では創業融資でよくある否決理由『発展編』として、最低限を押さえた創業予定者が次に意識したい否決理由ついてご紹介していきます。

①担当者からの質問に対する回答が曖昧

創業融資を受ける時期は事業規模が小さいことから、「代表者が事業に関するあらゆることを把握しているはずだ。」と日本政策金融公庫の担当者は考えています。
このため、面談での質問に対する回答が曖昧だと、「本当に事業を継続できる人物なのか…」「創業に対する覚悟があるのか…」と担当者から経営者としての資質を疑われてしまいます。
一方で、日本政策金融公庫が人生初の事業融資の申込という方はかなり多くいらっしゃいます。
このため面談では緊張してしまい、予め担当者に伝えたいと考えていたことも十分に伝えることができずに面談が終了してしますこともあり得るかと思います。
担当者は事業者との面談を数多くこなしているため、「いま回答が曖昧になっている要因が緊張なのか?それとも準備不足なのか?」はしっかり分かってくれます。

②事業計画の数字の根拠が弱い

創業計画書の項目で一番重要になるのは事業の見通しです。
創業当初の売上高・売上原価・経費・利益の見通し、そして事業が軌道に乗るころにはこれらがどのように拡大するのかを記載することになります。
これらの数字は魅力的なものにしようと思えばいくらでも数字を作ることはできますが、担当者も当然それは把握しています。
事業の見通しに記載された計画が果たして本当に実現可能性のあるものなのかを検証します。
担当者が創業融資の審査のなかで一番時間を注力するところになります。
何を根拠に事業計画を組み立てたのかを担当者は把握したいので、そのなかで根拠が弱いとなると融資をしても返済してくれる可能性が低いと判断されてしまいます。
計画なので推測の域を出ることは難しいですが、どれだけ実現可能性が高められるかが重要になります。

③噓をつく・話を大げさに盛る

融資面談でのポイントにとどまらず人として当然のことになりますが、面談をした事業者のなかには嘘をついたり話を大げさに盛ったりする方がいました。
面談で良い印象を担当者に与えたいという気持ちが強くなりすぎて、このような行動をしてしまうのだと思います。
本当のことを話してくれない初対面の人を、担当者が信用してお金を貸してくれるとは思えないですよね?
真摯な姿勢で融資審査に臨むようにしましょう。

以上がさらに押さえてきたい創業融資の否決理由でした。
日本政策金融公庫の融資は甘いと言われていますが、このように融資に落ちるポイントは意外と多くあるのです。
一度融資を断られてしまうと再申込する際は一定期間を空ける必要があったり、融資審査の目も多少厳しくなったりすることになりますので、しっかり融資を受けるためにも今回理解したポイントも踏まえて準備を進めるようにしましょう。
ぜひ参考にしてみてください。

執筆者情報

profile_photo

みつき

VTuber。日本政策金融公庫にて様々な業種の融資審査・債権回収に従事。この経験を活かし、YouTubeチャンネル「公庫融資のエッセンス」にて中小企業や個人事業主が日本政策金融公庫から融資を受けるときに知っておきたいことについて発信を行う。

経営融資相談士研究協会ホームぺージ
https://keieiyushi.zeimukeiei.jp/
経営融資相談士研究協会プレセミナー
https://keieiyushi.zeimukeiei.jp/seminar/
公庫融資のエッセンス
https://www.youtube.com/channel/UC7Q2Vt5ULL2YY0oVyh3kqkw

この記事のカテゴリ

この記事のシリーズ

公庫融資のエッセンス

記事の一覧を見る

関連リンク

創業融資でよくある否決理由【part2】

税務・会計に関する情報を毎週無料でお届けしています!

メルマガ登録はこちら


コラム
/column/2020/img/thumbnail/img_52_s.jpg
元公庫職員VTuberのみつきです。前回は「最もよくある否決理由」についてご紹介しました。第3回目では創業融資でよくある否決理由『発展編』として、最低限を押さえた創業予定者が次に意識したい否決理由ついてご紹介していきます。
2020.10.01 16:44:40