第13回 海外進出に最大3000万円の補助!ものづくり補助金(グローバル型)とは?
最大1000万円補助の大人気補助金「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称:ものづくり補助金)」ですが、2020年9月1日より受付開始の第4次締切より「ものづくり補助金(グローバル型)」が新たに公募開始します。海外展開を目指す中小企業・小規模事業者の取組を全面支援します。
今回はこの「ものづくり補助金(グローバル型)」について解説します。
ものづくり補助金(グローバル型)の補助率は中小企業1/2、小規模事業者1/3と変更ありませんが、補助上限額は3000万円にアップします。尚、補助下限額について、一般型では100万円ですが、グローバル型は1000万円となります。つまり中小企業の場合、最低でも2000万円の設備投資が必要になります。また、新型コロナ対策に関わる事業に対して補助率2/3~3/4にアップする「特別枠」、感染予防対策に対して全額補助する「事業再開枠」はグローバル型には設けられていません。
対象となる事業については、中小企業や小規模事業者による「革新的な製品・サービスの開発」に必要な設備投資を支援すること自体は一般型と変わりません。ただし、その設備投資が「(1)海外直接投資」、「(2)海外市場開拓」、「(3)インバウンド市場開拓」、「(4)海外事業者との共同事業」のいずれかに該当する必要があります。
「(1)海外直接投資」は経費の1/2以上が海外支店・海外子会社に係るものである必要があります。また国内でも、海外事業に関連がある設備を単価50万円(税抜)以上で導入する必要があります。「(2)海外市場開拓」は製品・サービスの販売先の1/2以上が海外顧客である必要があります。また市場開拓による売上累計額が補助額を上回るための事業計画を作らなればなりません。「(3)インバウンド市場開拓」は製品・サービスの販売先の1/2以上が訪日外国人である必要があります。こちらも市場開拓による売上累計額が補助額を上回るための事業計画を作らなればなりません。「(4)海外事業者との共同事業」は外国法人との共同開発・販路開拓等にかかる設備投資費用を補助します。ただし、外国法人が要した経費は補助対象外となります。補助対象事業の実施期間は、一般型が交付決定日から10ヶ月以内であるのに対し、グローバル展開型は交付決定日から12ヶ月以内に延長されます。
「給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させる」、「事業場内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上の水準にする」、「付加価値額を年率平均3%以上増加させる」と言った条件を事業計画で策定することは一般型と変わりませんが、グローバル型の場合、これらの条件が適用されるのは海外支店・子会社ではなく国内の本社となります。
補助対象経費は機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費と一般型と変更ありませんが、さらに海外旅費が追加されます。
海外旅費は事業に必要な海外渡航費・宿泊費が対象となります。交付申請時に具体的な海外渡航計画を提出する必要があります。ただし、一回の海外渡航で行けるのは2名まで(専門家も含む)となり、費用も全体の経費の1/5までに抑えなければなりません。
また外注費について、一般型では補助対象事業そのものを他社に外注することは禁じられていますが、グローバル型では海外支店・子会社に外注する場合は対象となります。
グローバル型で提出すべき書類は一般型とほぼ同じですが、「海外子会社の事業概要」、「海外市場調査報告書」、「海外法人との共同研究契約書」等、海外事業を準備している状況がわかる書類も提出する必要があります。
審査項目も一般型と同じく事業の実現可能性や革新性が主に見られますが、グローバル型ではさらに「国際競争力を有しているか」、「海外やインバウンドの市場調査分析は適切に行っているか」、「海外展開をするための実施体制や事業計画は適切か」といった項目も審査されます。補助額も3000万円と大きいため、一般型以上に厳しく審査されます。
新型コロナウイルス感染症による影響がいつ落ち着くかわからない状況にあっては、海外進出の計画を立てることは難しいかもしれません。しかしそれでも尚、アフターコロナに向けた海外展開を目指すのであれば、是非このものづくり補助金(グローバル型)の申請にチャレンジしてみましょう!
ものづくり補助金(グローバル型) |
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補助額 |
上限3000万円(下限1000万円) 補助率1/2 |
補助対象事業 |
(1)海外直接投資 (2)海外市場開拓 (3)インバウンド市場開拓 (4)海外事業者との共同事業 |
補助対象経費 |
機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費、海外旅費 |
審査項目 |
・国際競争力を有しているか ・海外やインバウンドの市場調査分析は適切に行っているか ・海外展開をするための実施体制や事業計画は適切か |
提出書類 |
海外子会社の事業概要 海外市場調査報告書 海外法人との共同研究契約書 等 |