提出書類が多いのは逆効果?
元公庫職員VTuberのみつきです。
先日Twitterで、「来週の公庫との面談で使用する資料を用意して準備万端!」という投稿を見かけました。
その投稿には画像が添付されており、添付画像には書類が山のように積まれていました…
なんとA4用紙600枚分もの書類を準備したのです。なかなかインパクトがありました。
僕が審査担当者でこれだけ大量の資料を提出されたら、正直参ってしまうなと感じます…
(上の事例では、担当者からの質問に応じて随時提出する書類を予め準備していたとのことでした。)
日本政策金融公庫の国民生活事業は中小企業や個人事業主などの小規模事業者に対して融資支援を行っています。
法人だけではなく個人事業主も対象としていることから対象となる事業者数は非常に多く、このため審査担当者が抱える案件の数も多くなってしまうのです。
実際に1日に1~2件の稟議を回さないと手元に抱える案件が徐々に増えていき、回らなくなってしまいます。
担当者も人間です。
600枚もの資料を提出されると資料のすべてをチェックするだけでかなりの時間を割くことになります。
審査担当者はあなたの案件だけではなく他にも多数の案件を抱えており、事前に資料をチェックしたり、面談を行ったり、事務所へ訪問したり、稟議書をまとめたりしています。
それらを並行して審査を進めていますので、大量の資料を提出してしまうと場合によっては情報量が多すぎてあなたが担当者に伝えたいポイントが霞んでしまい、プラスの評価になり得たものが担当者に届かなかった、ということも考えられます。
資料を準備する側としては「これだけ準備した。」という熱意を担当者に伝えたいと考えているのかもしれませんが、率直に言ってしまうと良い印象には繋がらないことのほうが多いと感じます。
熱意を伝えたいならば、面談での対応で十分に担当者は汲み取ってくれるはずです。
大量の資料を提出してアピールするよりも、伝えたいことやアピールしたいことをできるだけ簡潔に纏めるほうが、担当者があなたの事業内容をより早く理解することができ、これがスピーディーな融資審査に繋がります。
顧問先や顧問候補先の融資支援をされる際は「公庫へ提出する資料はコンパクトにする」ことを意識すると、事業者はスピーディーに融資を受けられ資金調達の負担を最小限にすることができ、さらには事業者が「なぜ今融資を受ける必要があるのか?」を頭の中で整理することにも繋がります。
そしてスムーズに審査を進めたい担当者にとっても非常に助かりますので、公庫との良い関係が築きやすくなります。