新型コロナ感染症に伴う給付金・助成金にかかる税金
リエ「黒田さん、こんにちは。現在、国から新型コロナウイルス感染症に伴う緊急経済対策として、様々なお金の支給が行われていますよね。例えば、10万円の特別定額給付金、雇用調整助成金、持続化給付金。これらについて所得税や法人税はどういった扱いになるのでしょうか?」
黒田「はい。結論から申し上げれば、特別定額給付金は非課税所得ですが、雇用調整助成金と持続化給付金は課税対象となります。」
リエ「そうなのですか。」
黒田「はい。給付金や助成金を非課税とするためには、法律で非課税となる旨を定める必要があります。“新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律“の4条では、新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響に鑑み、家計への支援の観点から給付される一定の給付金については所得税を課さない旨が定められています。特別定額給付金は、これに当てはまるため非課税所得となります。
一方、雇用調整助成金、持続化給付金は、これに当てはまらず、別段非課税の定めもありません。そのため、特別定額給付金は非課税で、雇用調整助成金、持続化給付金は課税対象となります。」
リエ「具体的に雇用調整助成金、持続化給付金はどのように処理すればよいでしょうか。」
黒田「はい。雇用調整助成金、持続化給付金は、法人であれば、益金に算入し、個人であれば総収入金額に算入をします。ただし、これを上回る損金や経費等があれば、課税所得は生じず、結果的に課税対象にはなりません。今回の支給趣旨から鑑みるに、そこまでの税額が生じる方はあまり多くないかもしれません。」
リエ「雇用調整助成金、持続化給付金の収益算入時期はいつにすればよいでしょうか?」
黒田「はい。雇用調整助成金は、その給付の原因となった休業等の事実があった日の属する事業年度において収益計上をします。また当該事業年度終了の日においてその交付を受けるべき金額が具体的に確定していない場合であっても、その金額を見積り、当該事業年度の収益に計上することに注意が必要です。
一方で、持続化給付金は、支給決定があった日の属する事業年度に収益計上をすることになります。」
リエ「ありがとうございました。」