知って得するセキュリティのはなし その70
マルウェアが混入したZoomの偽インストーラーに注意喚起
1.このニュースをざっくり言うと
- 6月23日(日本時間)、トレンドマイクロ社より、オンラインビデオ会議ツール「Zoom」のインストーラーに偽装してマルウェアをインストールしようとする攻撃について注意喚起が出されています。
- 注意喚起では二種類の不正なファイルが挙げられており、一つはPCに外部から攻撃者が侵入するためのバックドアを設置し、ユーザー認証情報の窃取や遠隔操作を目的とした細工等を行うもの、もう一つはPCを「Devil Shadow」と呼ばれるボットネットに組み入れ、やはり遠隔操作等を行うものとなっています。
- これらのインストーラーが不審なサイトで配布されていたということもあり、同社では「アプリケーションやソフトウェアは、正規のマーケットプレイスと公式プラットフォームからのみダウンロードする」「端末にインストールされているソフトウェアを最新バージョンに更新し、会議にはパスワードを使用し、ホストコントロールを設定する」ことを呼び掛けています。
2.執筆者からの所感等
- 偽のZoomインストーラーは正規のインストーラーと比べファイルサイズが大きいという特徴が指摘されている一方、正規のインストーラーをダウンロードしてインストールすると同時にバックドア等のコンポーネントもダウンロードしてPCに感染する挙動をとることも挙げています。
- よって、攻撃者の出方次第では、マルウェア自体に正規のインストーラーを含まずとも、正規のインストーラーと全く同じサイズに調整された偽インストーラーが出回る可能性も考えられます。
- アプリをインストールしようとしてこのような偽のインストーラーを掴まされるのは、往々にして検索エンジンでの検索結果の上位に出たサイトに安易にアクセスするケースが多くみられるため、アンチウイルスやUTMあるいはWebブラウザーのアンチフィッシング機能を有効にするとともに、正規のインストーラーがどこで入手できるか、検索結果をより詳しく調査して情報収集することが、偽インストーラーの回避に有用でしょう。