HOME コラム一覧 第7回 新型コロナで休業させるなら厚生労働省の助成金を活用しよう!

第7回 新型コロナで休業させるなら厚生労働省の助成金を活用しよう!

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新型コロナウイルスは日に日に感染拡大しており、日本経済に多大なる影響を及ぼしており、事業活動が困難になる企業も増えてきています。
企業によっては、売上の減少または雇用維持のために、従業員を休業させざるを得ない場合もあります。また、子供の臨時休校に伴い休業せざるを得ない従業員も増えています。そこで厚生労働省では、やむを得ず休業した従業員に支払う休業手当を助成する助成金を設けています。
今回はこれらの助成金について解説していきます!

1.新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金
新型コロナウイルス感染防止のため小学校等(中高、幼稚園、放課後児童クラブ等も含む)が臨時休業している場合、その学校に通う子供を世話するために休暇を取らざるを得ない労働者もいます。その休暇中に支払った賃金を全額助成するのがこの助成金です。対象労働者は会社の従業員だけでなく、フリーランスも含まれます。
対象となる子供は、学校が臨時休業となった子どもの他にも、新型コロナウイルスに感染した子供、もしくは感染する恐れのある子供です。また保護者は両親の他にも、祖父母、里親、未成年後見人など実際に子供を養っている方も含まれます。
対象の保護者である従業員に有給休暇(年次有給休暇を除く)を取得させた場合、休暇中に支払った賃金相当額を全額支給します。上限額は1日8330円となりますが、8330円を超える場合であっても全額を支払わなければなりません。一方フリーランスについては、就業できなかった日に対して4100円が定額で支給されます。
休暇は2020年2月27日~6月30日の間に取得したものが対象です。また半日・時間単位の休暇、欠勤・年次有給休暇を事後的に特別休暇に振り替えた場合も対象になります。ただし、日曜日や春休みなどもともと学校が休日であった日は対象外です。
申請期間は6月30日までであり、法人単位で対象労働者を一度にまとめて申請する必要があります。

2. 雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた特例)
雇用調整助成金は経営悪化による事業縮小などを受けて、従業員を休業させざるを得なくなった場合、その休業手当の一部を助成します。通常の雇用調整助成金では、過去1年以内に受給すると申請できません。しかし、今回の特例ではその規制が取り払われ、尚且つ過去の受給日数にかかわらず、今回の支給限度日数から差し引かれなくなります。
対象となる休業は2020年4月1日から6月30日までです。通常は休業等計画届を休業させる前に提出する必要がありますが、今回は事後提出(令和2年6月30日まで)も可能となります。
助成対象経費は、休業を実施した場合の休業手当です。全国の事業主が対象になり、事業所設置後1年未満の事業主も含まれます。通常の助成対象労働者は6か月以上継続雇用された従業員が対象ですが、今回では新卒社員など継続雇用期間が6か月未満の労働者も対象となります。また、雇用保険に加入していない労働者(労働時間が週20時間未満のパート等)の休業も対象になります。
助成額は1人1日当たり最大8330円が支給されます。ただし助成率は企業規模によって異なり、4/5(中小企業)、2/3(大企業)となります。また、1月24日から実際に休業する判定基礎期間(賃金締切期間)の末日まで従業員を解雇しておらず、尚且つその期間の月平均労働者数と比して末日の労働者数が4/5以上だった場合、9/10(中小企業)、3/4(大企業)と助成率が引き上げられます。さらに、対象従業員に教育訓練を実施したときは1人1日当たり2400円(中小企業)、1800円(大企業)が加算されます。
⽀給限度⽇数は、1年間で100日までとなりますが、これに加えて4月1日から6月30日までの「緊急対応期間」も追加されます。対象となる休業等の延べ日数については、判定基礎期間内における対象労働者の所定労働日数の1/40以上(中小企業)、1/30以上(大企業)である必要があります。
ただし、「生産性について、提出があった月の前月と対前年同月比で1か月5%以上低下している」という要件があります。一方、雇用数については最近3か月が対前年比で増加していても対象となります。
申請するには、事業主が指定した1年間の対象期間について、実際に休業する判定基礎期間(賃金締切期間)ごとに計画届を提出することが必要です。計画届を事後提出する場合は、1度にまとめて提出しなければなりません。
事後提出しない休業については、初回は休業開始日の2週間前をめどに提出します。2回目以降は、開始日前日までに提出します。最大で3判定基礎期間分の支給申請を同時にできます。なお、支給申請は判定基礎期間終了後2か月以内にする必要があります。

緊急事態宣言が出たことで事業活動の縮小が余儀なくされ、各地の学校の臨時休校も引き続き続いていることから、今後ますます休業せざるを得ない労働者が増えることが予想されます。上記の助成金等を積極的に活用して、新型コロナによる影響を最小限に留めましょう!

執筆者情報

株式会社ナビット

わたしたち株式会社ナビットは補助金・助成金情報検索サイト「助成金なう」を運営しております。
「助成金なう」では官公庁や地方自治体、財団・協会で公示されている全国各地の補助金・助成金を検索できます。また、顧客にとって最適な補助金・助成金のご提案、補助金・助成金に関する疑問をわかりやすく解説するサービスなども行っております。
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新型コロナウイルスは日に日に感染拡大しており、日本経済に多大なる影響を及ぼしており、事業活動が困難になる企業も増えてきています。企業によっては、売上の減少または雇用維持のために、従業員を休業させざるを得ない場合もあります。また、子供の臨時休校に伴い休業せざるを得ない従業員も増えています。そこで厚生労働省では、やむを得ず休業した従業員に支払う休業手当を助成する助成金を設けています。今回はこれらの助成金について解説していきます!1.新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金新型コロナウイルス感染防止のため小学校等(中高、幼稚園、放課後児童クラブ等も含む)が臨時休業している場合、その学校に通う子供を世話するために休暇を取らざるを得ない労働者もいます。その休暇中に支払った賃金を全額助成するのがこの助成金です。対象労働者は会社の従業員だけでなく、フリーランスも含まれます。対象となる子供は、学校が臨時休業となった子どもの他にも、新型コロナウイルスに感染した子供、もしくは感染する恐れのある子供です。また保護者は両親の他にも、祖父母、里親、未成年後見人など実際に子供を養っている方も含まれます。対象の保護者である従業員に有給休暇(年次有給休暇を除く)を取得させた場合、休暇中に支払った賃金相当額を全額支給します。上限額は1日8330円となりますが、8330円を超える場合であっても全額を支払わなければなりません。一方フリーランスについては、就業できなかった日に対して4100円が定額で支給されます。休暇は2020年2月27日~6月30日の間に取得したものが対象です。また半日・時間単位の休暇、欠勤・年次有給休暇を事後的に特別休暇に振り替えた場合も対象になります。ただし、日曜日や春休みなどもともと学校が休日であった日は対象外です。申請期間は6月30日までであり、法人単位で対象労働者を一度にまとめて申請する必要があります。2. 雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた特例)雇用調整助成金は経営悪化による事業縮小などを受けて、従業員を休業させざるを得なくなった場合、その休業手当の一部を助成します。通常の雇用調整助成金では、過去1年以内に受給すると申請できません。しかし、今回の特例ではその規制が取り払われ、尚且つ過去の受給日数にかかわらず、今回の支給限度日数から差し引かれなくなります。対象となる休業は2020年4月1日から6月30日までです。通常は休業等計画届を休業させる前に提出する必要がありますが、今回は事後提出(令和2年6月30日まで)も可能となります。助成対象経費は、休業を実施した場合の休業手当です。全国の事業主が対象になり、事業所設置後1年未満の事業主も含まれます。通常の助成対象労働者は6か月以上継続雇用された従業員が対象ですが、今回では新卒社員など継続雇用期間が6か月未満の労働者も対象となります。また、雇用保険に加入していない労働者(労働時間が週20時間未満のパート等)の休業も対象になります。助成額は1人1日当たり最大8330円が支給されます。ただし助成率は企業規模によって異なり、4/5(中小企業)、2/3(大企業)となります。また、1月24日から実際に休業する判定基礎期間(賃金締切期間)の末日まで従業員を解雇しておらず、尚且つその期間の月平均労働者数と比して末日の労働者数が4/5以上だった場合、9/10(中小企業)、3/4(大企業)と助成率が引き上げられます。さらに、対象従業員に教育訓練を実施したときは1人1日当たり2400円(中小企業)、1800円(大企業)が加算されます。⽀給限度⽇数は、1年間で100日までとなりますが、これに加えて4月1日から6月30日までの「緊急対応期間」も追加されます。対象となる休業等の延べ日数については、判定基礎期間内における対象労働者の所定労働日数の1/40以上(中小企業)、1/30以上(大企業)である必要があります。ただし、「生産性について、提出があった月の前月と対前年同月比で1か月5%以上低下している」という要件があります。一方、雇用数については最近3か月が対前年比で増加していても対象となります。申請するには、事業主が指定した1年間の対象期間について、実際に休業する判定基礎期間(賃金締切期間)ごとに計画届を提出することが必要です。計画届を事後提出する場合は、1度にまとめて提出しなければなりません。事後提出しない休業については、初回は休業開始日の2週間前をめどに提出します。2回目以降は、開始日前日までに提出します。最大で3判定基礎期間分の支給申請を同時にできます。なお、支給申請は判定基礎期間終了後2か月以内にする必要があります。緊急事態宣言が出たことで事業活動の縮小が余儀なくされ、各地の学校の臨時休校も引き続き続いていることから、今後ますます休業せざるを得ない労働者が増えることが予想されます。上記の助成金等を積極的に活用して、新型コロナによる影響を最小限に留めましょう!
2020.04.20 18:12:39