申告所得税等の申告・納付期限の延長
リエ「黒田さん。今年は新型コロナウィルス感染症の影響で申告所得税の申告・納付期限が延長されましたね。」
黒田「はい。令和2年3月6日に国税庁より告示されました。例年、申告期限近くでは税務署の確定申告会場は大変混雑しますからね。今般、政府の方針を踏まえて新型コロナウィルス感染症の拡大防止の観点から、申告所得税(及び復興特別所得税)、贈与税及び個人事業者の消費税(及び地方消費税)の申告・納付期限が令和2年4月16日まで延長されることになりました。」
リエ「国税庁はインターネットを利用して申告するe-Taxを推奨していますが、税務署に直接伺って申告される納税者もまだまだ多いですものね。ところで振替納税の振替日も延長されたのですか?」
黒田「はい。申告所得税は令和2年4月21日の予定でしたが、令和2年5月15日になりました。個人事業者の消費税は令和2年4月23日の予定でしたが、令和2年5月19日に変更されました。」
リエ「でも、最近の状況では納税に困る人も多いでしょうね。」
黒田「そうですね。そこで新型コロナウィルスの影響により国税を一時に納付することができない場合、要件に該当すれば税務署に申請することによって原則として1年以内の期間に限り猶予が認められます。」
リエ「要件とはどのようなものですか?」
黒田「はい。次の4つになります。」
<納税猶予の要件>
1)国税を一時に納付することにより、事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められること。
2)納税について誠実な意思を有すると認められること。
3)猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと。
4)納付すべき国税の納期限から6ヵ月以内に申請書が提出されていること。
*担保の提供が明らかに可能な場合を除いて、担保は不要です。
黒田「また、新型コロナウィルス感染症に納税者(家族含む)が罹患された等の個別の事情がある場合にも納税の猶予が認められる場合がありますので、まずは所轄の税務署に相談してみることですね。」