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iDeCo+(イデコプラス・中小事業主掛金納付制度)とは?

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リエちゃんと黒田さんがiDeCo(イデコ)関係の話をしています。

リエ「黒田さん、前にiDeCo(イデコ)の話を聞いたことがあるんですけど、iDeCo+(イデコプラス・中小事業主掛金納付制度)という制度もあるんですか。」

黒田「はい、ありますよ。そもそも、iDeCo(イデコ)は個人で加入し将来の資産形成を自ら行う年金制度でしたよね。」

リエ「そうでした。資産形成をすると共に、掛金の全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象となるので、所得税、住民税の節税にもなるなどのメリットもありましたよね。」

黒田「その通りです。それでは、iDeCo+(イデコプラス)について簡単に説明しますね。iDeCo+(イデコプラス)は、iDeCo(イデコ)に加入している従業員が拠出する加入者掛金に、事業主が追加の掛金を拠出できる制度になります。従業員の掛金は個人の所得税等の所得控除になるのはもちろん、事業主が拠出した掛金は全額が損金にできます。」

リエ「へぇ~、従業員にとっては事業主が掛金を上乗せしてくれる分、資産運用、形成の幅が広がりますね。福利厚生的な制度ということですね。対象になる事業主の要件はあるんですか。」

黒田「はい。企業年金(企業型確定拠出年金、確定給付企業年金、厚生年金基金)を実施していない中小企業の事業主であって、従業員(第1号厚生年金被保険者)が100人以下の事業主が対象となります。」

リエ「なるほど、規模の制約があるわけか~。」

黒田「それから、iDeCo+(イデコプラス)の実施にあたっては、事前に労使による合意が必要となります。また、導入されたとしても、iDeCo(イデコ)未加入の従業員に対して加入の強制をすることはできません。」

リエ「事業主の都合だけでなく、労使で協議して内容を確認するわけですね。それで、このiDeCo+(イデコプラス)では、事業主掛金はいくらまで掛けることができるんですか。」

黒田「事業主掛金の額は、iDeCo加入者の掛金と合計して、月額5000円以上2万3000円以下(年額27万6000円以下)になるように、それぞれ1000円単位で設定をします。事業主掛金の額は、基本的に拠出対象者全員が同額になるよう設定しますが、一定の職種や勤続期間ごとに掛金の額を変えることも可能になっています。」

リエ「そうなんですね~。掛金の納付はどのようにするんですか。」

黒田「掛金の納付については、原則、従業員の加入者掛金を給与天引きし、事業主掛金と合算して事業主が国民年金基金連合会に納付する形になります。それから、iDeCo+(イデコプラス)による事業主掛金の拠出や、掛金変更の手続きについては、国民年金基金連合会および厚生労働大臣への届出が必要(申請窓口は国民年金基金連合会に統一)となります。」

リエ「今日も勉強になりました。黒田さん、ありがとうございます。」

監修

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税理士 坂部達夫

坂部達夫税理士事務所/(株)アサヒ・ビジネスセンター

 東京都墨田区にて平成元年に開業して以来、税務コンサルを中心に問題解決型の税理士事務所であることを心がけて参りました。
 おかげさまで弊所は30周年を迎えることができました。今後もお客様とのご縁を大切にし、人に寄り添う税務に取り組んでいきます。

メールマガジンやセミナー開催を通じて、様々な情報を発信しています。

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リエちゃんと黒田さんがiDeCo(イデコ)関係の話をしています。リエ「黒田さん、前にiDeCo(イデコ)の話を聞いたことがあるんですけど、iDeCo+(イデコプラス・中小事業主掛金納付制度)という制度もあるんですか。」黒田「はい、ありますよ。そもそも、iDeCo(イデコ)は個人で加入し将来の資産形成を自ら行う年金制度でしたよね。」リエ「そうでした。資産形成をすると共に、掛金の全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象となるので、所得税、住民税の節税にもなるなどのメリットもありましたよね。」黒田「その通りです。それでは、iDeCo+(イデコプラス)について簡単に説明しますね。iDeCo+(イデコプラス)は、iDeCo(イデコ)に加入している従業員が拠出する加入者掛金に、事業主が追加の掛金を拠出できる制度になります。従業員の掛金は個人の所得税等の所得控除になるのはもちろん、事業主が拠出した掛金は全額が損金にできます。」リエ「へぇ~、従業員にとっては事業主が掛金を上乗せしてくれる分、資産運用、形成の幅が広がりますね。福利厚生的な制度ということですね。対象になる事業主の要件はあるんですか。」黒田「はい。企業年金(企業型確定拠出年金、確定給付企業年金、厚生年金基金)を実施していない中小企業の事業主であって、従業員(第1号厚生年金被保険者)が100人以下の事業主が対象となります。」リエ「なるほど、規模の制約があるわけか~。」黒田「それから、iDeCo+(イデコプラス)の実施にあたっては、事前に労使による合意が必要となります。また、導入されたとしても、iDeCo(イデコ)未加入の従業員に対して加入の強制をすることはできません。」リエ「事業主の都合だけでなく、労使で協議して内容を確認するわけですね。それで、このiDeCo+(イデコプラス)では、事業主掛金はいくらまで掛けることができるんですか。」黒田「事業主掛金の額は、iDeCo加入者の掛金と合計して、月額5000円以上2万3000円以下(年額27万6000円以下)になるように、それぞれ1000円単位で設定をします。事業主掛金の額は、基本的に拠出対象者全員が同額になるよう設定しますが、一定の職種や勤続期間ごとに掛金の額を変えることも可能になっています。」リエ「そうなんですね~。掛金の納付はどのようにするんですか。」黒田「掛金の納付については、原則、従業員の加入者掛金を給与天引きし、事業主掛金と合算して事業主が国民年金基金連合会に納付する形になります。それから、iDeCo+(イデコプラス)による事業主掛金の拠出や、掛金変更の手続きについては、国民年金基金連合会および厚生労働大臣への届出が必要(申請窓口は国民年金基金連合会に統一)となります。」リエ「今日も勉強になりました。黒田さん、ありがとうございます。」
2020.03.30 16:19:12