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会計人にできること!! 経営者のお悩みに共感し“相手への貢献”をミッションとする元舞台役者の税理士

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いかわのぞむ税理士事務所の井川 望先生(写真)は、お客様への貢献を胸に、税理士業務の枠を超えて経営のお悩みに寄り添います。舞台役者だった経歴を生かし、セミナー講師としても活躍中です。

―― 井川先生のご経歴を伺います。
井川 私は高校を2年で中退し、通信制の高校を卒業してから、4年ほど劇団に所属して役者として活動しました。役者の道を諦めて税理士になることを決意したのは、22歳のときです。きっかけとなったのは、役者時代にアルバイトとして大阪で税理士をしている父の事務所に勤めたことでした。
 27歳で税理士試験に合格してからは、父の事務所や都内の事務所で実務の経験を積み、32歳で独立して今の事務所を立ち上げました。
―― 4年半での合格は、大変苦労されたのではないでしょうか。
井川 税理士になることを決めてからは、勉強に専念しました。働きながら合格することがいかに大変なことか、先輩方の姿を見て知っていましたし、私自身が高校生のときから勉強をしていない状態だったからです。
 私の場合、1年に1科目ずつ、一球入魂という気持ちで受験して、5回目の試験で無事に合格しました。
―― 一度も不合格になっていないのですね。勉強にはどのように取り組まれたのでしょうか。
井川 まず勉強を始める前に、「好きなことを5つやめる」と決意して、演劇、本、パソコン、テレビ、ゲームをやめました。そこから捻出した時間を全て勉強に充てた感じです。少なくとも1日10時間は勉強していました。
 そのほかには、受けた模試を満点が取れるまで解き続けました。間違えればコンビニに問題をコピーしに行って再び解いて……。朝までそれを繰り返したこともあります。
―― 心が折れてしまうことはありませんでしたか。
井川 私の場合、演劇の道を諦めて選んだことですから、まさに背水の陣という気持ちでした。その危機感で、自分を奮い立たせることができたと思います。
―― 役者としての経験が税理士の仕事に生かされることはありますか。
井川 セミナーで講演するとき、自分が決めたとおりに話すことができます。役者の頃、同じ演劇を同じクオリティーで何度もやってきたことですから。おかげで聴講者のアンケート結果から、講演の精度を徐々に上げることができています。自分の決めた内容を話せていなかったら、たとえよい評価をもらっても何がよかったか分からず、次に生かせないと思います。
―― 井川先生の理念を教えてください。
井川 「今、目の前にいる人の幸せに貢献する」です。相手の利益に貢献し続けていれば、顧問税理士として長い期間お付き合いができて、その結果、報酬として返ってきたり、新しい顧客の紹介につながったりします。前は、よい案があってもそれが自分の儲(もう)けになるかどうかを考えてしまっていましたが、今は、お客様のためになる提案ができれば満足だと思えるようになりました。
―― 今後、先生が取り組みたいことをお聞かせください。
 コンサルティングに取り組みたいです。経営者が抱えるお悩みのほとんどは、資金繰り、人間関係、事業計画を含めた将来の目標の3つですから、この3本柱に対応できるよう常に勉強しています。
 特に自分で開業してからは、経営者のお悩みが自分のこととして理解できるようになりました。お客様に納付書を渡すとき、勤務時代は当事者意識を持てていなかったと思いますが、今は支払う痛みを理解できていると思います。最近は、税務会計の話より、経営のお悩みを聞かせていただける時間のほうが圧倒的に長くなりました。
 今後は、税務のアウトソーシングではなく、お客様が本当に必要としている知識を税理士フィーの枠を超えて届けることで対価を得たいですね。
―― 本日は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。

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株式会社実務経営サービス

株式会社実務経営サービスは、会計事務所の成長や発展をご支援している会社です。税理士の先生方を対象とする勉強会「実務経営研究会」の運営、各種セミナー・カンファレンスの企画、会計事務所経営専門誌「月刊実務経営ニュース」の発行を事業の柱としています。おかげさまで2018年に、創業20周年を迎えることができました。

「月刊実務経営ニュース」は、成長の著しい会計事務所、優れた顧問先支援を実践している税理士を取材・紹介し、会計業界の発展に貢献することを目指しています。おもな読者は全国の会計事務所の所長や職員の皆様で、全国に約3万件あるといわれている会計事務所の約1割にご購読いただいています。最新号を無償で読むことができる「Web版実務経営ニュース」もありますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

■Web版実務経営ニュース
https://bmn.jkeiei.co.jp/

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いかわのぞむ税理士事務所の井川 望先生(写真)は、お客様への貢献を胸に、税理士業務の枠を超えて経営のお悩みに寄り添います。舞台役者だった経歴を生かし、セミナー講師としても活躍中です。―― 井川先生のご経歴を伺います。井川 私は高校を2年で中退し、通信制の高校を卒業してから、4年ほど劇団に所属して役者として活動しました。役者の道を諦めて税理士になることを決意したのは、22歳のときです。きっかけとなったのは、役者時代にアルバイトとして大阪で税理士をしている父の事務所に勤めたことでした。 27歳で税理士試験に合格してからは、父の事務所や都内の事務所で実務の経験を積み、32歳で独立して今の事務所を立ち上げました。―― 4年半での合格は、大変苦労されたのではないでしょうか。井川 税理士になることを決めてからは、勉強に専念しました。働きながら合格することがいかに大変なことか、先輩方の姿を見て知っていましたし、私自身が高校生のときから勉強をしていない状態だったからです。 私の場合、1年に1科目ずつ、一球入魂という気持ちで受験して、5回目の試験で無事に合格しました。―― 一度も不合格になっていないのですね。勉強にはどのように取り組まれたのでしょうか。井川 まず勉強を始める前に、「好きなことを5つやめる」と決意して、演劇、本、パソコン、テレビ、ゲームをやめました。そこから捻出した時間を全て勉強に充てた感じです。少なくとも1日10時間は勉強していました。 そのほかには、受けた模試を満点が取れるまで解き続けました。間違えればコンビニに問題をコピーしに行って再び解いて……。朝までそれを繰り返したこともあります。―― 心が折れてしまうことはありませんでしたか。井川 私の場合、演劇の道を諦めて選んだことですから、まさに背水の陣という気持ちでした。その危機感で、自分を奮い立たせることができたと思います。―― 役者としての経験が税理士の仕事に生かされることはありますか。井川 セミナーで講演するとき、自分が決めたとおりに話すことができます。役者の頃、同じ演劇を同じクオリティーで何度もやってきたことですから。おかげで聴講者のアンケート結果から、講演の精度を徐々に上げることができています。自分の決めた内容を話せていなかったら、たとえよい評価をもらっても何がよかったか分からず、次に生かせないと思います。―― 井川先生の理念を教えてください。井川 「今、目の前にいる人の幸せに貢献する」です。相手の利益に貢献し続けていれば、顧問税理士として長い期間お付き合いができて、その結果、報酬として返ってきたり、新しい顧客の紹介につながったりします。前は、よい案があってもそれが自分の儲(もう)けになるかどうかを考えてしまっていましたが、今は、お客様のためになる提案ができれば満足だと思えるようになりました。―― 今後、先生が取り組みたいことをお聞かせください。 コンサルティングに取り組みたいです。経営者が抱えるお悩みのほとんどは、資金繰り、人間関係、事業計画を含めた将来の目標の3つですから、この3本柱に対応できるよう常に勉強しています。 特に自分で開業してからは、経営者のお悩みが自分のこととして理解できるようになりました。お客様に納付書を渡すとき、勤務時代は当事者意識を持てていなかったと思いますが、今は支払う痛みを理解できていると思います。最近は、税務会計の話より、経営のお悩みを聞かせていただける時間のほうが圧倒的に長くなりました。 今後は、税務のアウトソーシングではなく、お客様が本当に必要としている知識を税理士フィーの枠を超えて届けることで対価を得たいですね。―― 本日は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。
2020.03.17 16:24:09