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第4回 早くとも2月下旬に公募開始?IT導入補助金の最新情報!

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2020年1月20日、独立行政法人中小企業基盤整備機構より今年のIT導入補助金(正式名称:サービス等生産性向上IT導入支援事業)の事務局の公募を開始するとの公告がありました。締切は2020年2月14日であり、その後事務局の選定がなされます。つまり、IT導入補助金の公募は早くとも2月下旬以降に開始する可能性があります。
そして、その事務局の公募要項に今年のIT導入補助金の概要が記載されています。今回はこの概要について詳しく解説していきます。
まずIT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者等が業務改善・生産性向上のために、ITツールを導入した際の費用(ソフトウェア、クラウド利用費、専門家経費等)を補助するものです。IT導入補助金の魅力は多種多様なITツールが補助対象になることです。ホームページ作成だけでなく、経理効率化の会計ソフト、顧客管理クラウドシステムなど、生産性向上や業務改善につながるのであればどんなITツールでも導入することができます。ただし、ITツールは事務局が「IT導入支援事業者」と認定した業者が扱うものしか導入できません。
採択事例としては、鳥取県にて旅館を経営する株式会社ラークコーポレーションが会計と給与計算のシステムを新たに導入し、業務時間の短縮及びタイムリーな業績把握を実現した。また、税務・会計のコンサル業務を行っている福留聡国際会計アドバイザリー株式会社では、クライアントの帳簿を作成するための作業時間を短縮するため、入力作業を自動化するクラウド会計ソフトを導入した結果、クライアントの増加につながりました。
このような便利なIT導入補助金ですが、2020年も内容面で大きな変化はないようです。2019年は申請目的の数や導入数などによってA類型とB類型に分かれており、今回もその2タイプとなっています。補助額もほぼ変わらず、A類型は上限150万円(下限30万円)・補助率1/2、B類型は上限450万円(下限150万円)・補助率1/2となります。
申請の際は、労働生産性や給与支給総額、事業場内最低賃金が一定以上アップしていることを盛り込んだ3年以上の事業計画書を作成する必要があります。加点要件は、3年間に給与支給総額の年率平均1.5%以上増加、または事業場内最低賃金の地域別最低賃金+30円以上を盛り込んだ計画を作成し、従業員に表明することが挙げられています。また、過去3年間にIT導入補助金の交付を受けた事業者は減点されます。新規企業の活性化、及び2020年から施行される同一労働同一賃金が意識されています。尚、前回あったクラウドツールの利用や「おもてなし規格認証」の取得などの加点要件については言及されていません。しかし、「加点要件は追加の可能性あり」とは明記されているため、今後追加される可能性はあります。
採択件数は約3万件を予定しています。2019年のIT導入補助金の採択件数は7386件なので、約4倍の規模となります。ただし、この件数は複数年の採択数を合計したものと考えられます。
申請するにはまずIT導入支援事業者が提供するITツールを選定することが必要です。2019年のIT導入補助金では、公式サイト上で「どのITツールを導入すればいいのかわからない」という事業者のために、「業種別 お悩み解決ITツール機能」というページを設けており、業種に見合ったITツールの紹介を行っていました。今年もこのような措置が取られると想定されます。また、申請は電子申請のみ受け付ける予定です。
募集期間は昨年(1次:2019年5月27日~6月28日、2次:2019年7月17日~8月23日)と大きく変わって通年公募となり、4ヶ月ごと程度に1回ずつ採択発表を予定しています。
他方、ITツールを取り扱うIT導入支援事業者については、募集期間などの詳細な情報はまだ記載されていません。2019年時点でのIT導入支援事業者の業務としては、補助対象事業者へのITツールの提供だけでなく、補助対象事業者が行う補助金交付申請や実績報告書作成などの代行・支援があります。「自社商材を購入すれば、その一部がIT導入補助金として返ってくる」と提案できるので、ITツールを扱う事業者はIT導入支援事業者の登録を目指すことをおすすめします。
尚、上記の内容は2020年1月20日時点のものであり、多少の変更があるかもしれません。しかし、2月下旬以降と見込まれるIT導入補助金の公募までに、どんな取組を行ってどのような内容を申請書に書くかなど、万全に準備しておくことをおすすめします。

執筆者情報

株式会社ナビット

わたしたち株式会社ナビットは補助金・助成金情報検索サイト「助成金なう」を運営しております。
「助成金なう」では官公庁や地方自治体、財団・協会で公示されている全国各地の補助金・助成金を検索できます。また、顧客にとって最適な補助金・助成金のご提案、補助金・助成金に関する疑問をわかりやすく解説するサービスなども行っております。
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2020年1月20日、独立行政法人中小企業基盤整備機構より今年のIT導入補助金(正式名称:サービス等生産性向上IT導入支援事業)の事務局の公募を開始するとの公告がありました。締切は2020年2月14日であり、その後事務局の選定がなされます。つまり、IT導入補助金の公募は早くとも2月下旬以降に開始する可能性があります。そして、その事務局の公募要項に今年のIT導入補助金の概要が記載されています。今回はこの概要について詳しく解説していきます。まずIT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者等が業務改善・生産性向上のために、ITツールを導入した際の費用(ソフトウェア、クラウド利用費、専門家経費等)を補助するものです。IT導入補助金の魅力は多種多様なITツールが補助対象になることです。ホームページ作成だけでなく、経理効率化の会計ソフト、顧客管理クラウドシステムなど、生産性向上や業務改善につながるのであればどんなITツールでも導入することができます。ただし、ITツールは事務局が「IT導入支援事業者」と認定した業者が扱うものしか導入できません。採択事例としては、鳥取県にて旅館を経営する株式会社ラークコーポレーションが会計と給与計算のシステムを新たに導入し、業務時間の短縮及びタイムリーな業績把握を実現した。また、税務・会計のコンサル業務を行っている福留聡国際会計アドバイザリー株式会社では、クライアントの帳簿を作成するための作業時間を短縮するため、入力作業を自動化するクラウド会計ソフトを導入した結果、クライアントの増加につながりました。このような便利なIT導入補助金ですが、2020年も内容面で大きな変化はないようです。2019年は申請目的の数や導入数などによってA類型とB類型に分かれており、今回もその2タイプとなっています。補助額もほぼ変わらず、A類型は上限150万円(下限30万円)・補助率1/2、B類型は上限450万円(下限150万円)・補助率1/2となります。申請の際は、労働生産性や給与支給総額、事業場内最低賃金が一定以上アップしていることを盛り込んだ3年以上の事業計画書を作成する必要があります。加点要件は、3年間に給与支給総額の年率平均1.5%以上増加、または事業場内最低賃金の地域別最低賃金+30円以上を盛り込んだ計画を作成し、従業員に表明することが挙げられています。また、過去3年間にIT導入補助金の交付を受けた事業者は減点されます。新規企業の活性化、及び2020年から施行される同一労働同一賃金が意識されています。尚、前回あったクラウドツールの利用や「おもてなし規格認証」の取得などの加点要件については言及されていません。しかし、「加点要件は追加の可能性あり」とは明記されているため、今後追加される可能性はあります。採択件数は約3万件を予定しています。2019年のIT導入補助金の採択件数は7386件なので、約4倍の規模となります。ただし、この件数は複数年の採択数を合計したものと考えられます。申請するにはまずIT導入支援事業者が提供するITツールを選定することが必要です。2019年のIT導入補助金では、公式サイト上で「どのITツールを導入すればいいのかわからない」という事業者のために、「業種別 お悩み解決ITツール機能」というページを設けており、業種に見合ったITツールの紹介を行っていました。今年もこのような措置が取られると想定されます。また、申請は電子申請のみ受け付ける予定です。募集期間は昨年(1次:2019年5月27日~6月28日、2次:2019年7月17日~8月23日)と大きく変わって通年公募となり、4ヶ月ごと程度に1回ずつ採択発表を予定しています。他方、ITツールを取り扱うIT導入支援事業者については、募集期間などの詳細な情報はまだ記載されていません。2019年時点でのIT導入支援事業者の業務としては、補助対象事業者へのITツールの提供だけでなく、補助対象事業者が行う補助金交付申請や実績報告書作成などの代行・支援があります。「自社商材を購入すれば、その一部がIT導入補助金として返ってくる」と提案できるので、ITツールを扱う事業者はIT導入支援事業者の登録を目指すことをおすすめします。尚、上記の内容は2020年1月20日時点のものであり、多少の変更があるかもしれません。しかし、2月下旬以降と見込まれるIT導入補助金の公募までに、どんな取組を行ってどのような内容を申請書に書くかなど、万全に準備しておくことをおすすめします。
2020.02.12 16:29:27