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消費税還付スキームにメス【2020年令和2年税制改正大綱】

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2020年(令和2年)税制改正

今年も「予定通り」、12月12日(木)に、「2020年度(令和2年度)税制改正大綱」が自由民主党・公明党の与党より発表されました。

余談ですが、(いつでもとは言いませんが)、予見可能っていいですよね、根回しって大事ですね。

10年ほど前の政治が不安定な時には、大綱の内容はどうなるの?いつ発表されるの?と専門家だけではなく影響のある経営者もドギマギしていました・・・。

税制改正大綱発表後のこの先の予定は、閣議決定がされて、1月の通常国会に税制改正法案等が提出され、3月までには可決成立となるでしょう。

消費税還付スキームにメス

税制改正大綱は全部で117ページあり分量的には例年通りですが、特徴の1つとしては、「過度な節税に対する規制に力を入れている」ではないかと思います。

今回は、その中でも「居住用賃貸建物の取得等に係る消費税の仕入税額控除制度の適正化」を取り上げます。

税制改正大綱上の文面は、要約すると下記となります。

居住用賃貸建物の課税仕入れについては、仕入税額控除制度の適用を認めないこととする。

シンプル過ぎるほど、シンブル。

例えば、こんな節税例が・・・

賃貸アパートを建設又は購入すると、支払い消費税が発生します。

しかし、賃貸アパートの家賃収入は、消費税法上非課税のため、結果として賃貸アパートに伴う支払い消費税は還付されません。

そこで例えば、消費税法上課税売上扱いとなる「金の購入と売上を行う」ことによって、結果として賃貸アパートの支払い消費税が還付されることになります。

3億円のアパートであれば、3,000万円の消費税ですから、消費税アップに伴い、より一層その効果が、悪い意味で際立ちます。

そのため、下記の税制改正大綱と相成りました。

ちなみに適用時期は、令和2年10月1日以後に居住用賃貸建物の仕入れを行った場合について適用するとなっていますが、令和2年3月31日までに締結した契約に基づき同年10月1日以後に居住用賃貸建物の仕入れを行った場合には、適用しないとなっています。

令和2年3月31日までにとりあえず契約しておけば・・・、駆け込みがあるのか、ないのか、あるのか。。。

【2020年令和2年税制改正大綱】P84
(1)居住用賃貸建物の取得等に係る消費税の仕入税額控除制度等の適正化
1.居住用賃貸建物の取得に係る消費税の仕入税額控除制度について、次の見直しを行う。

イ 住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物であって高額特定資産に該当するもの(以下「居住用賃貸建物」という。)の課税仕入れについては、仕入税額控除制度の適用を認めないこととする。
ただし、居住用賃貸建物のうち、住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな部分については、引き続き仕入税額控除制度の対象とする。

ロ 上記イにより仕入税額控除制度の適用を認めないこととされた居住用賃貸建物について、その仕入れの日から同日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間の末日までの間に住宅の貸付け以外の貸付けの用に供した場合又は譲渡した場合には、それまでの居住用賃貸建物の貸付け及び譲渡の対価の額を基礎として計算した額を当該課税期間又は譲渡した日の属する課税期間の仕入控除税額に加算して調整する。

2.住宅の貸付けに係る契約において貸付けに係る用途が明らかにされていない場合であっても、当該貸付けの用に供する建物の状況等から人の居住の用に供することが明らかな貸付けについては、消費税を非課税とする。

(注)上記1の改正は令和2年10月1日以後に居住用賃貸建物の仕入れを行った場合について、上記2の改正は同年4月1日以後に行われる貸付けについて、それぞれ適用する。
ただし、上記1の改正は、同年3月31日までに締結した契約に基づき同年10月1日以後に居住用賃貸建物の仕入れを行った場合には、適用しない。

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2019.12.20 17:00:44