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「紙からデジタルへ」ITに強い税理士事務所が教える今どきのスキャナー活用術

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書類をスマホで撮影!しかしお客様の反応は…

税理士の仕事は、まず書類を集めることから始まります。これは以前に勤めていた税理士事務所の所長による言葉ですが「税理士の仕事は、書類がそろえば8割終わったも同然」といっても過言ではありません。

その書類を集めるために、以前はお客様から書類を預かったり、コピーをとったりということをしていました。それがスマートフォンの普及により、簡単に文字がくっきり読める高画質の画像を撮影できるようになりました。

スマートフォンはとても便利ですが、ではそのままお客様の書類をパシャパシャ撮影すればよいかというと、なかなかそういうわけにはいきません。「プライベートのスマートフォンに、書類の写真を入れるのですか?」「このスマートフォンを落としたり紛失したりしたら、書類はどうなるのですか?」と、不安や不信感を覚えるお客様も少なくありません。

お客様の書類を集めるのにスキャナーを使うメリット

そこで考えたのが、ハンディタイプのスキャナーをお客様のところに持っていき、その場でスキャンする方法です。エプソンの「ES-60WB」は約300gと軽いので、外出時に持ち運んでも負担になりません。またバッテリーが搭載されているので、お客様のところでも場所を選ばずにスキャンできます。
こちらを使ってお客様の領収書や預金通帳(注1)を取り込みます。紙だけでなく、マイナンバーカードなど、厚みのあるものを取り込めるのも便利です。
スマートデバイスに対応したアプリ「Epson DocumentScan」もありますのでiPadと「ES-60WB」をWi-Fiで接続して、書類を直接取り込むことができます。また、Wi-Fi接続も本体前面にスイッチがあり接続設定も簡単なのですぐに利用できます。
その場で読み込んだ画像の確認ができるのがいいですね。電子化した書類の保存についてはさまざまな方法がありますが、当事務所ではAirDrop(Appleのデバイス同士でデータをやりとりできる機能)を使い、事務所のパソコンのハードディスクや、AirDropに対応したQNAP(キューナップ)というNAS(Network-Attached Storage。ネットワークに接続して使う外付けハードディスク)に転送しています。USBケーブルを使わずにデータをやりとりできます。

スキャナーを持ち歩くようになり一番よかったと感じるのは、通帳などお客様の書類をお預かりすることが少なくなったことです。もちろん書類の保管には細心の注意を払いますが、それでもやはりお客様の大切な書類をお預かりするのは、精神的なプレッシャーが大きいもの。その心配から解放されました。

「DS-570W」で事務所の紙ファイルを電子化

事務所用のスキャナーは、エプソンの「DS-570W」を使用しています。どんどん書類がたまってしまうので、そのつどスキャナーに取り込んでいます。色がホワイトなのがお気に入りです。モニターもエプソンのホワイトのもので統一しています。
スキャンしたいものが冊子になっている場合は、裁断機でカットしてからスキャンしています。

「DS-570W」は1分間で約35枚もの紙をスキャン。他社の製品よりも速いと感じます。また書類の取り込み方法を事前に設定するソフトウェアも使いやすいですね。たとえば“文字をくっきりさせたい”とか、“両面で取り込む”、“カラーで取り込む”といった設定が簡単にできます。
そしてフォルダも「定例会」「研修会」など用途別にわけ、ソフトウェア上にそれぞれのスキャンボタンを用意しておきます。事務所に帰ってきたらポンとボタンを押してスキャンしてそこにデータを保存。書類を分類しておくことで、後から読み返して活用することもしやすくなります。事務所に合わせて手軽にカスタマイズできるのがいいですね。

スキャナーの活用で大切なのは「モニター」

そして実はスキャナーを活用するには、モニターの環境を整えることが不可欠。書類は縦型がほとんど、一方で一般的なモニターは横型なので、ファイルを開いてもスクロールしなければさっと確認できないことも多いのです。
縦型に回転できるタイプのモニターを選ぶことで、取り込んだ書類が全画面に収まり、非常に確認しやすくなりました。当事務所にはモニターが4台あり、うち3台は縦にして置いています。後で見返しやすいモニター環境を作ることが、仕事の能率アップにつながります。

これから年末調整、確定申告と、いろいろな書類を取り扱う機会が増えます。当事務所の事例が、少しでも皆様の業務におけるスキャナー活用のヒントになれば幸いです。


内田税理士事務所で利用しているスキャナーの詳細はこちら
ES-60WB (小型・軽量モバイルスキャナー)
DS-570W (両面・高速スキャンで大量の書類もさくさくデータ化)  

(注1):通帳のスキャンはメーカー保証範囲外となります。
(注):Wi-Fiは、Wi-Fi Allianceの登録商標です。
(注):Apple、AirDrop、iPadは、Apple Inc.の商標です。
(注):QNAPは、QNAP Systems, Inc.の登録商標です。

■導入事務所様のご紹介

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内田税理士事務所

設立 : 2001年 6月
代表者 : 内田敬博
事務所 : 横浜市青葉区しらとり台55番地11
URL : http://www.nojinoji.com/
事務所プロフィール :内田税理士事務所は、横浜市青葉区で活動し、経営者のみなさまをサポートしています。また事務所の運営や顧問先企業のお役に立てるよう、デジタル化や合理化といったITの活用にも力を入れています。スキャナーもそのうちのひとつです。

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税理士の仕事は、まず書類を集めることから始まります。これは以前に勤めていた税理士事務所の所長による言葉ですが「税理士の仕事は、書類がそろえば8割終わったも同然」といっても過言ではありません。その書類を集めるために、以前はお客様から書類を預かったり、コピーをとったりということをしていました。それがスマートフォンの普及により、簡単に文字がくっきり読める高画質の画像を撮影できるようになりました。スマートフォンはとても便利ですが、ではそのままお客様の書類をパシャパシャ撮影すればよいかというと、なかなかそういうわけにはいきません。「プライベートのスマートフォンに、書類の写真を入れるのですか?」「このスマートフォンを落としたり紛失したりしたら、書類はどうなるのですか?」と、不安や不信感を覚えるお客様も少なくありません。
2019.12.18 14:37:02