給与計算を自分でしようと思っているんだけど
給与は自分で計算できる?
あゆみ:今ね、給料は外注さんに頼んで計算してもらっているの。それを自分で計算しようと思うんだけど、できるかな?
ケン:給与計算は社長さんが行うのですか?
あゆみ:そうしようと思っている。
ケン:就業規則と給与規定があることが前提です。それと給与計算ソフトを使用すればできると思います。ソフトを用意し維持する費用とアウトソーシングの費用と天秤にかけてみると答えは出るのではないでしょうか。
あゆみ:就業規則と給与規定はお店始めるときに作成したわ。
給与計算ソフトの導入コスト
あゆみ:給与計算ソフトを用意して維持する費用ってどの位かかるの?
ケン:その銘柄により異なりますが、共通しているのはソフト自体の導入費用とその後毎年払い続ける保守料がかかります。
社会保険料や所得税法は毎年のように変わりますのでアップデートが必要です。また、保守料を支払うことによりサポートが受けられますので保守料も費用として考えてください。
ソフト自体の金額は8万円から20万円、保守料は2万円から4万円ほどかかります。
クラウド型のものであれば年間ライセンス料として1万5千円から3万円ほどです。
会計ソフトと同じ銘柄の給与計算ソフトにすると自動で仕訳も作成してくれます。
給与計算に必要な知識
あゆみ:給与計算ソフトはこれからそろえるんだけど、知識ゼロでも大丈夫?
ケン:もちろん、ある程度の知識はあった方がいいです。そうじゃないと給与計算ソフトで計算されたものがあっているのかどうかも分かりませんから。
あゆみ:そのためには知識として何が必要?
ケン:給与規定があるということは、所定労働時間や時間外手当や休日出勤手当などが細かく規定されていると思います。それを覚えることが必要です。
それと、勤怠管理、マイナンバーの管理、社会保険料の計算や所得税の計算などの知識が必要になります。
あゆみ:やっぱり難しそうね。
ケン:慣れるまでは大変かもしれません。
給与計算の流れ
あゆみ:実際のところ作業の流れとしてはどんな感じ?
ケン:まずは、初期設定をしなければなりません。
従業員ごとに住所、氏名、生年月日、扶養親族の名前・続柄などを設定します。次に基本給や時間外手当や休日出勤手当の単価、家族手当や通勤手当などの諸手当や欠勤した場合の欠勤単価などを設定し、給与から差し引く住民税や社会保険料の等級や雇用保険料率を設定し、財形貯蓄や旅行積み立てなどもあれば設定します。
これらの初期設定項目は変更があった都度修正します。
あゆみ:初期設定が大変なのね。毎月の作業はどのような感じ?
ケン:出欠勤状況や有給休暇など勤怠のデータを入力します。具体的には、タイムカードを集計し、例えばAさんの場合、当月は欠勤が1日あり残業が10時間で休日出勤が2日あったなどのデータを給与計算ソフトに入力します。
それを従業員全員分行います。
有給休暇の残日数と差し引かれる所得税は給与計算ソフトが自動的に計算をします。
あゆみ:毎月の作業は慣れたら時間もかけずに出来そうね。
ケン:慣れるまでは大変だと思います。
給与計算で気をつけること
あゆみ:給与を自分で計算する上で気をつけることはある?
ケン:給与の支払いは給与規定で決められた日に毎月必ずしなければいけません。給与計算するのは社長さんお一人とのことですから、社長さんの仕事の関係や体調不良などで給与計算が出来ない場合にどうするかを考える必要があります。
また、12月に年末調整をしなければいけません。
1月には給与支払報告書と法定調書を提出しなければなりませんので、社長さんの仕事が忙しいときに代わりにやってくれる人がいると安心かと思います。
あゆみ:給与は他の従業員がいくらもらっているかなんて知られたくないだろうから、信頼できる人にお願いしなくちゃね。