会計事務所のための“工数分析”とは?
お客様は「十人十色」。
業種、業態、従業員数、開業年数等によって様々だと思いますが、
「手間がかかるお客様と手間がかからないお客様」に分けることができます。
「手間がかかる=投入時間が多い」
「手間がかからない=投入時間が少ない」
と考えたとき、同じ報酬でも
手間がかかるお客様は、「不採算顧客」となり、
逆に手間がかからないお客様は、「優良顧客」となります。
名南経営では、これを「工数分析」と呼んでおりますが、
「工数分析」を活用の方法を整理してみましょう!
ある会計事務所で下記のようなお客様がいらっしゃいました。
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(A社)
顧問料:月額50,000円
一ヶ月で事務所がかける総工数:1時間
一時間あたりの報酬:50,000円
(B社)
顧問料:月額25,000円
一ヶ月で事務所がかける総工数:10時間
一時間あたりの報酬:2,500円
※一時間あたりの報酬目標:5,000円
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一時間あたりの報酬目標:5,000円であることを
もとにすると
A社=「優良顧客」
B社=「不採算顧客」
考えることができます。
このように一時間あたりの報酬目標を事務所で定めることで
採算ライン以下の先を洗い出すことができます。
これが、第一の工数分析の活用方法です。
この方法で「不採算顧客」を洗い出すことができます。
もちろんこれだけでも
「工数分析」の価値は十分ありますが、
実は活用方法はこれだけではありません。
第二の工数分析の活用方法は
一時間あたりの報酬が高すぎる先を洗い出すことです。
「優良顧客」であるはずのお客様へ時間が投入されておらず、
十分なサービス提供ができていない可能性があります。
今回の事例でいうとA社がそれにあたります。
もしかしたら、A社は
「会計事務所とは月に一回のデータのやり取りと
半年に一回監査担当が顔を出しに来るだけ…
月額50,000円ってなんだか高いな。」
と日ごろから感じているかもしれません。
このようなお客様は
万一、担当者がミスして信頼関係を崩すことなどがあれば、
急に顧問契約解除の話があがってきてしまうリスクの高い先だと
認識する必要があります。
たとえば、一時間あたりの報酬が20,000円を越える先は、
一時間あたりの報酬が高すぎる先として
現在のお客様への対応状況を確認するなど、
一定のラインを設けると洗い出しに役立ちます。
今回は2つの工数分析の活用方法をご紹介しましたが、
皆さんの事務所でのお客様にかけるべき時間の見直しに
「工数分析」を活用してみてください。