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教えてください! 事業継続力強化計画認定制度

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リエ「黒田さん、この間ネットで事業継続力強化計画認定制度が施行されたというのをみたのですが、どういったことなのですか?」

黒田「大規模な自然災害が発生した場合、個々の事業者の経営だけでなく、日本のサプライチェーン全体にも大きな影響を及ぼす恐れがあることから、施行された制度ですよ。」

リエ「本当に自然災害が多いですもんね。ところで事業継続力強化計画ってどんなものですか?」

黒田「事業継続力強化計画というのは、中小企業者等が自社の災害リスクを認識し、防災・減災対策の第一歩として取り組むために必要な項目を盛り込んだもので、設備投資への税制優遇などの支援措置を受けるために、将来的に行う災害対策などを記載するものです。これを国に提出し認定を受けた中小企業者等はいくつかの支援措置の利用が可能になるんですよ。」

リエ「なるほど。支援措置についてもっと教えてください!」

黒田「まずは金融支援です。認定を受けた中小企業等が行う防災・減災のための設備投資に必要な資金について、日本政策金融公庫から融資を受ける際、低利融資を受けることができます。具体的には基準金利率から0.9%引下げになります。また民間の金融機関から融資を受ける際は、信用保証協会による信用保証のうち、一般保証とは別枠での追加保証や保証枠の拡大が受けられます。
 そして税制優遇もありますが、税制優遇には特別な要件があります。元々この認定を受けるにあたっては、資本金額や従業員数が一定規模以下の中小企業者であることが条件ですが、税制優遇を受ける場合には、これ以外に青色申告書を提出していることや、大企業の子会社ではないことなどの要件があります。これらの要件をクリアできれば、認定された計画に従って取得した一定の設備等について、取得価格の20%相当額の特別償却が認められます。
 ほかにも、ものづくり補助金等の一部の補助金において審査の際に加点を受けられる予算支援もあります。」

リエ「つまり、この制度はこれらの支援措置で自然災害に対する事前対策を促進することが目的ということですね!」

黒田「そういうことですね。ちなみに、事業継続力強化計画の記載内容ですが、企業の概要、事業継続力強化に取り組む目的、自然災害が企業に与える影響の認識(被害想定等)、災害時における従業員の避難・被害情報把握、災害時における社内体制の設定などの初動対応の内容、人員、設備、資金繰り、情報保全などで必要な事前対策の内容、従業員への訓練や計画の見直し等の事前対策の実効性の確保に向けた取組みなどを記載することで認定を受けることができます。これらを記載する様式は中小企業庁のホームページにありますし、手引き等もあるのでこの制度を利用しようとする場合は、目を通しておくことをお勧めします。」

リエ「この制度を利用して、将来の不測の事態に備えて対策をしておきたいですね。」



監修

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税理士 坂部達夫

坂部達夫税理士事務所/(株)アサヒ・ビジネスセンター

 東京都墨田区にて平成元年に開業して以来、税務コンサルを中心に問題解決型の税理士事務所であることを心がけて参りました。
 おかげさまで弊所は30周年を迎えることができました。今後もお客様とのご縁を大切にし、人に寄り添う税務に取り組んでいきます。

メールマガジンやセミナー開催を通じて、様々な情報を発信しています。

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リエ「黒田さん、この間ネットで事業継続力強化計画認定制度が施行されたというのをみたのですが、どういったことなのですか?」黒田「大規模な自然災害が発生した場合、個々の事業者の経営だけでなく、日本のサプライチェーン全体にも大きな影響を及ぼす恐れがあることから、施行された制度ですよ。」リエ「本当に自然災害が多いですもんね。ところで事業継続力強化計画ってどんなものですか?」黒田「事業継続力強化計画というのは、中小企業者等が自社の災害リスクを認識し、防災・減災対策の第一歩として取り組むために必要な項目を盛り込んだもので、設備投資への税制優遇などの支援措置を受けるために、将来的に行う災害対策などを記載するものです。これを国に提出し認定を受けた中小企業者等はいくつかの支援措置の利用が可能になるんですよ。」リエ「なるほど。支援措置についてもっと教えてください!」黒田「まずは金融支援です。認定を受けた中小企業等が行う防災・減災のための設備投資に必要な資金について、日本政策金融公庫から融資を受ける際、低利融資を受けることができます。具体的には基準金利率から0.9%引下げになります。また民間の金融機関から融資を受ける際は、信用保証協会による信用保証のうち、一般保証とは別枠での追加保証や保証枠の拡大が受けられます。 そして税制優遇もありますが、税制優遇には特別な要件があります。元々この認定を受けるにあたっては、資本金額や従業員数が一定規模以下の中小企業者であることが条件ですが、税制優遇を受ける場合には、これ以外に青色申告書を提出していることや、大企業の子会社ではないことなどの要件があります。これらの要件をクリアできれば、認定された計画に従って取得した一定の設備等について、取得価格の20%相当額の特別償却が認められます。 ほかにも、ものづくり補助金等の一部の補助金において審査の際に加点を受けられる予算支援もあります。」リエ「つまり、この制度はこれらの支援措置で自然災害に対する事前対策を促進することが目的ということですね!」黒田「そういうことですね。ちなみに、事業継続力強化計画の記載内容ですが、企業の概要、事業継続力強化に取り組む目的、自然災害が企業に与える影響の認識(被害想定等)、災害時における従業員の避難・被害情報把握、災害時における社内体制の設定などの初動対応の内容、人員、設備、資金繰り、情報保全などで必要な事前対策の内容、従業員への訓練や計画の見直し等の事前対策の実効性の確保に向けた取組みなどを記載することで認定を受けることができます。これらを記載する様式は中小企業庁のホームページにありますし、手引き等もあるのでこの制度を利用しようとする場合は、目を通しておくことをお勧めします。」リエ「この制度を利用して、将来の不測の事態に備えて対策をしておきたいですね。」
2019.09.02 16:26:48