クラウド活用で仕訳入力時間を約50%短縮
自計化されていない顧問先の記帳代行業務を効率化
会計事務所業界は人手不足が深刻で、当事務所も例外ではありません。限られたスタッフで、業務をこなす必要があります。それに加えて、事業承継支援や経営コンサルティングなどの高度なサービスを提供しようとすると、業務を効率化して時間を創出する必要があります。
当事務所でも、自計化されていない顧問先から記帳代行の業務を請け負っています。今までは、顧問先から領収書や通帳のコピーなどの紙の証憑をお預かりし、職員が手入力で処理をしていたのですが、ご存じのとおり、これは時間と手間のかかる作業です。
この作業を効率化するためクラウドサービス(Weplat スキャンサービス)を導入しました。このサービスは紙の証憑をスキャナーでスキャンすると、クラウド経由で仕訳を自動作成してくれるサービスです。たとえ手書きの証憑であっても高い認識率で仕訳データに変換してくれます。結果として職員の手入力をサービスが自動化してくれるので、大幅な工数削減につながっています。
導入当初は運用方法を含め、試行錯誤がありましたが、販売店の担当の方の協力もあり、軌道に乗せることができました。
サービスを利用するようになって、仕訳入力の一連の作業時間を、今までの50%くらいに短縮することができています。
クラウドサービスを活用して業務の属人化を改善
実は「Weplat スキャンサービス」のメリットは記帳代行業務の効率化だけでなく業務の属人化の改善にもつながる事が導入してから分かりました。
多くの会計事務所で、職員は決まった顧問先を担当し、その顧問先のことは他の職員には分からないという状況にあると思います。言い方を変えると、作業が属人化してしまうわけです。
当事務所も同じような状況になっていて、実務は各顧問先の担当者が最初から最後までひとりでこなしていました。そうなってしまうのは、会計処理が標準化できていなかったからです。
しかし、「Weplat スキャンサービス」を導入してからは、顧問先の仕訳入力はサービスが行ってくれますので、結果的に誰が処理しても同じ成果が得られるようになり、入力処理業務の標準化につながりました。
これをきっかけに、ひとつの顧問先の業務を複数の職員で分担するようにしたのですが、これが効率改善に大きく貢献しています。
横のつながりを意識して会計業界とともに発展
今後についてですが、私たちは現状をよしとせず、積極的に変わっていくべきだと考えています。
例えば、他の事務所と提携することで、新しい手法を学び、取り入れていきたいですね。人手不足や事業承継の問題は、私たちだけでできることには限界があります。他の事務所をライバルと捉えるのではなく、うまくノウハウを共有し、協力していきたいですね。まだ年に数回のレベルでしかありませんが、勉強会を企画したりしています。あまり堅苦しいものにすると人が集まりにくいので、まずはこの地域で情報交換ができる場にすることを目指して運営しています。
税理士の業務はひとりで考えて、ひとりで決断をすることが多いと思います。それでも、なるべく他の事務所と協力しながら物事を解決していくことが大切だと私は考えています。横のつながりを意識して、一緒に成長できればさいわいです。