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【建設】建設業関連の法律の改正

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本年6月5日に改正建設業法(業法)と改正工事入札契約適正化法(入契法)が国会で成立し、6月7日に改正公共工事品質確保促進法(品確法)が同じく国会で成立した。これら3法の内容は以下の通りである。

目的 法律の内容 3法のうち該当する法律
業法 入契法 品確法
長時間労働の是正 中央建設業審議会が工期に関する基準を作成し、違反者には国土交通大臣が勧告し、又、公表する。    
著しく短い工期による請負契約の締結を禁止し、違反者には国土交通大臣が勧告し、又、公表する。    
公共工事発注者に対し工期の確保等と施工時期の平準化等を講じる努力義務を課す。    
処遇改善 社会保険加入を建設業許可の要件とする。    
下請代金のうち労務費相当額については現金払いとする。    
生産性の向上 技術士補の制度を創設し、元請に技術士補がいる場合は、監理技術者の複数現場の兼任を認める。    
下請の主任技術者について一定額未満の工事については設置を不要とする。    
施工不良が資材の欠陥による場合、国土交通大臣は建設業者への指示に併せて建設資材製造会社に対しても改善勧告や命令ができるようになった。    
受発注業者共にICTの活用による生産性向上へ取り組むべき。    
持続可能な事業環境整備 経営業務管理責任者を役員個人に求めていたが、事業者全体として責任体制を有することで建設業許可が得られることに改められた。    
合併、事業譲渡等に際し、事前許可の手続を踏むことで、空白の期間なく事業承継ができることとなった。    
災害時対応 災害時は緊急性に応じて随意契約・指名契約の適正な選択を発注者である地方公共団体は行うべきである。    
発注者としての地方公共団体は災害時対応を円滑に行うため建設業団体との災害協定を締結しておくべきである。    
発注者としての地方公共団体は、「債務負担行為」や「繰越明許費」を活用して施工時期の平準化を行うべきである。    

この記事の執筆者

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一般社団法人コンサル技連

【コラム紹介文】
一般社団法人コンサル技連(略称:CML)/代表理事 吉永茂が、全国の士業事務所の皆様に、中小企業に対する“経営助言業務”の強化を図るための様々な視点を提示します。
 得意とする建設業種特化のみならず、幅広い業種に適用できるテーマを取り上げます。
【経歴】
1942年生まれ
中央大学卒
公認会計士・税理士
建設会社勤務中、公認会計士試験に合格。監査法人勤務を経て、35歳で独立、現在に至る。
熊本学園大学会計職専門大学院 専任教授(前職)
一般社団法人コンサル技連 代表理事
税理士法人ユース会計社 会長
京都大学経営管理大学院 特命教授

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本年6月5日に改正建設業法(業法)と改正工事入札契約適正化法(入契法)が国会で成立し、6月7日に改正公共工事品質確保促進法(品確法)が同じく国会で成立した。これら3法の内容は以下の通りである。
2019.07.16 17:17:46